膝立ちが本当に体に悪いのか、疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。
実は、膝立ちは正しい立ち方を学ぶために非常に効果的なトレーニング方法の一つです。
本記事では、膝立ちが体に悪いという誤解を解きながら、膝立ちの正しい姿勢とその効果について詳しく解説していきます。
膝立ちがどのように体のバランスを整え、運動パフォーマンスを向上させるのか、具体的な方法とともにお伝えします。
- 膝立ちが体に悪くない理由
- 膝立ちが正しい立ち方を学ぶために有効である
- 膝立ちで使用される主要な筋肉とその役割
- 膝立ちが姿勢改善と運動パフォーマンス向上に役立つ理由
膝立ちは体に悪いのか?
膝立ちが体に悪いかどうか気になる方は多いでしょう。
実際には、膝立ちは体に悪いどころか、正しい立ち方を学ぶために非常に効果的なトレーニング方法の一つです。
膝立ちがなぜ良い立ち方に繋がるのか、また体のバランスを整えるのにどう役立つのかを詳しく解説します。
膝立ちとは
膝立ちとは、膝を90度に曲げて上半身を直立させた姿勢のことで、立っているときよりも安定しています。
人が立つときに重要なのは、股関節と脛骨直下点を結ぶラインですが、股関節と大腿骨を結ぶラインも非常に重要です。
というのも、この部分でしっかりとバランスを取れないと、脛骨をうまく使えないからです。
脛骨は大腿骨の上にしっかりと乗ることで初めて機能するため、膝立ちを通して股関節と大腿骨の関係を学ぶことが重要なのです。
膝立ちで使われる筋肉
膝立ちを行うことで様々な筋肉を使いますが、特に重要な筋肉は以下の通りです。
- 脊柱起立筋
- 腸腰筋
- ハムストリングス
脊柱起立筋は骨盤や背骨から頭まで伸びている、背中で最も大きく長い筋肉で、姿勢の維持に重要な役割を果たします。
腸腰筋は腰椎から大腿骨の上部に繋がっており、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。脚を上げたり、腰椎の安定を保ったりするのに必要です。
ハムストリングスは太ももの裏側にあり、股関節の伸展と膝関節の屈曲に関与しています。
腸腰筋とハムストリングスはどこでも重要な部分なのだ
これらの筋肉は、スポーツパフォーマンスの向上にも重要です。膝立ちを通じてこれらの筋肉の役割を理解することで、パフォーマンスの向上が期待できます。
膝立ちを通して裏ももから背中の筋肉のバランスを整える
なぜ膝立ちが重要なのか?
膝立ちが重要なのは、股関節と大腿骨の関係を理解できるためです。
これが理解できないと、正しい立ち方を身につけることが難しくなります。
人がきれいに立つためには、骨格をしっかりと活用することが必要です。
骨は体を支える役割を持っていますが、多くの人は骨を十分に使えておらず、筋肉で支えようとしています。
これが筋肉の硬化や痛みの原因となり、運動パフォーマンスの低下にもつながります。
骨格を中心とした立ち方を覚えるのはとても難しい
特に、立つ時に問題となるのは、下半身の股関節周りです。股関節の感覚が鈍いため、股関節と大腿骨の関係がわかりにくくなります。
このため、大腿四頭筋を無駄に使い、太ももが太くなったり、運動のパフォーマンスが向上しなかったりする原因になります。
膝立ちが姿勢改善に良い理由
膝立ちが姿勢改善に良い理由は、股関節周りのバランスを強化できるからです。
立ちながら姿勢を改善する際のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 股関節周りが意識しにくい
- 足に意識が集中してしまう
まず、立つことで体のバランスを取るのが難しくなります。
立っていると、体のさまざまな部分を意識する必要があり、股関節への意識が薄くなりがちです。
特に膝から脛骨、足にかけてのラインはバランスを取るのが難しい部分です。立つことでこの部分に意識が持っていかれてしまいます。
膝を固定できるから体のバランスを見つけやすくなるのだ
しかし、膝立ちをすると膝から脛骨の部分が固定されます。これにより、股関節から大腿骨のバランスに集中できるため、姿勢改善が効率的に行えるのです。
正しい姿勢と重心の取り方
骨の活用
正しい姿勢については様々な理論がありますが、どの理論においても基本となるのは骨です。
骨は体を支える役割を持ち、体の中で最も硬い組織だからです。
正しい姿勢は骨を使った姿勢なのですわ
骨は体の中心に位置し、フィギュアの芯材のような役割を果たしています。
フィギュアで芯材に粘土を付けて形を作るように、骨を中心に筋肉や内臓が配置されています。
骨をうまく使って体を支えることができれば、筋肉は支える役割を担う必要がなくなり、本来の柔軟で機能的な動きができるようになります。
体の重心の位置
体の重心についてもさまざまな理論がありますが、重要なのは重心が落ちていないことです。
重心が落ちると、体重が脚に余計にかかり、膝や前ももに負担が増えてしまいます。これが膝の痛みや脚が太く見える原因になります。
目安として、重心は胸椎の12番目あたりに持ってくると良いでしょう。
この部分は腸腰筋が始まる場所でもあり、重心がここに来ることで腸腰筋が働きやすくなります。
腸腰筋がうまく働くと、脚を自然に垂らして使えるため、脚が長く見える効果も期待できる以外にもハムストリングスも働きやすくなる効果もあります。
骨盤の正しい位置と立ち方
股関節と骨盤の関係
骨盤の正しい姿勢を保つためには、股関節のバランスが重要です。股関節を中心にバランスを取ることで、自然に骨盤の位置が矯正されます。
しかし、多くの人は骨盤や股関節に意識を向けていないため、骨盤周りでバランスを取る能力が低下しています。
膝立ちの姿勢を取ると、大腿骨と股関節に自然と重みがかかり、大腿骨が上半身を支える運動が促されます。
この運動により、骨盤が下から支えられるようになり、骨盤の位置が改善される効果が期待できます。
腸腰筋でバランスを取る
腸腰筋は、骨盤の位置を整えるのに非常に重要です。
主な役割は脚を上げることですが、腰椎の位置を安定させる働きもあります。
腸腰筋は大腿骨から腰椎の横を通っているため、横から腰椎を支える役割を果たしています。
この筋肉が活性化すると、腰椎を安定させつつ、腰椎をスムーズに動かすことができます。
これにより、体の中心から強い動きが可能となり、腰周りの代謝が改善されます。その結果、腰痛の緩和にも効果があります。
腸腰筋が活性化することで体の芯からパワーを発揮することができる
膝立ちのトレーニング方法
膝立ちで最も重要なのは、股関節と大腿骨を使ってしっかりと上半身を支えることです。以下の2つのポイントに注意しましょう。
- 股関節でバランスをとる
- 大腿骨を棒のように使う
まず、股関節でバランスを取ることを意識しましょう。股関節は球関節なので、本来であるならばツルツルとした感覚があるはずです。
この感覚を活かして、骨盤から上の上半身を支えるようにします。箒を立ててバランスを取る遊びを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。
膝と股関節で上半身のバランスを取るようにするのだ
次に、大腿骨を棒のように使いましょう。大腿骨は太くて頑丈なので、そこに体重を預けるイメージを持つと良いです。
これにより、安定して上半身を支えることができます。
膝立ち
膝立ちを行うときは腰が反らないように注意しましょう。
右図では腰が反って背骨の位置がズレているのがわかります。
腰が反ってしまうと股関節に乗れなくなるのと、大腿四頭筋に乗ってしまいます。
前ももに乗ると背中が反る原因になるので注意する
片脚膝立ち
膝立ちの状態から片方の脚を前に出して行います。
両膝立ちよりも股関節の位置が意識しやすくなります。特に後ろ側の股関節から大腿骨を意識することで効果が高くなります。
前側の股関節も意識すると効果がアップするのですわ♪
股関節回し
両膝立ちの状態から股関節を水平に回転させます。回転方向は右回りと左回りの両方を行いましょう。
股関節を水平にキレイに回転させると効果が高まります。
回転させるときは股関節の一点を意識するのだ!
膝立ちしながらやることで脚が固定されるためダイレクトに股関節に効かせることができます。
おすすめの補助体操
膝立ちをする前に体をゆるめる体操を行いましょう。
体がこわばっているままだと体を痛めたり、トレーニングの効果が少なくなったりしてしまいます。
どの体操も腰回りから股関節をゆるめるのにおすすめですのでぜひやってみてください。
腰モゾモゾ体操
腰回りの筋肉をほぐす体操です。股関節や腸腰筋も効果的にほぐすことができます。
腰裏の筋肉の力を抜き、重みを感じながらやるとリラックスして行えるようになります。
踵クルクル体操
股関節と踵を結んだラインを意識しながら股関節を回転させる体操です。
股関節から足にかけて軸ができると同時に股関節まわりをゆるめることができます。
爪先クルクル体操
股関節と爪先を結んだラインを意識しながら回転させる体操です。
踵クルクル体操とは異なり、前ももをゆるめる効果があります。
前ももの力が抜けるように意識してやりましょう。
記事のまとめ
記事のポイントをまとめます。
- 膝立ちは体に悪くない効果的なトレーニング方法である
- 正しい立ち方を学ぶために膝立ちは有用である
- 膝立ちは股関節と大腿骨の関係を学ぶのに重要である
- 膝立ちでは脊柱起立筋が強化される
- 膝立ちは腸腰筋のトレーニングに効果的である
- 膝立ちではハムストリングスが活性化する
- 膝立ちで体のバランス感覚が向上する
- 膝立ちは姿勢改善に役立つ
- 膝立ちにより正しい重心の取り方を学べる
- 膝立ちで骨をうまく活用する方法を学べる
- 重心を胸椎の12番目あたりに保つことが重要である
- 膝立ちが腰痛の緩和に効果がある
- 膝立ちの際には股関節でバランスを取ることが重要である
- 大腿骨を棒のように使うことで安定する
- 腰が反らないように膝立ちを行うことが重要である
- 片脚膝立ちは股関節の位置を意識しやすい
- 股関節回しは股関節にダイレクトに効かせることができる
- 補助体操で体をほぐすことが膝立ちの効果を高める
- 腰モゾモゾ体操は腰回りの筋肉をほぐす
- 踵クルクル体操は股関節から足の軸を作る
- 爪先クルクル体操は前ももの力を抜くのに効果的である
「膝立ち 体に悪い」と検索している方々、膝立ちは決して体に悪いわけではありません。
むしろ、正しい姿勢を学び、体のバランスを整えるために非常に有効なトレーニング方法です。
膝立ちを通じて股関節と大腿骨の関係を理解し、姿勢改善や運動パフォーマンスの向上を目指しましょう。
体に悪いという誤解を解き、積極的に取り入れてみてください。