社交ダンスを始めたばかりの初心者が大会に参加するのは、初めての経験でとても緊張するものです。
「どの大会に参加すれば良いのか」「どんな準備をすればいいのか」そして大会当日に何を期待すべきかなどは、多くの初心者が抱える疑問です。
この記事では、社交ダンスの初心者が自信を持って大会に参加できるよう、大会の選び方や参加準備、そして当日の流れまでを詳しく解説します。
この記事を通じて、大会参加への不安を解消しましょう。
- 初心者におすすめの社交ダンス大会の選び方
- 参加する競技団体の特徴と違い
- 大会でのルールや注意点
- 大会に必要な準備と当日のスケジュール
初心者におすすめの大会とは
競技会にはさまざまな種類があります。公式の競技団体が認めた大会から、パーティーやサークル内で気軽に楽しむミニコンペなど、規模や形態は多岐にわたります。
どの大会に参加しても基本的には問題ありませんが、まずは公式の競技団体が開催する大会に参加することをおすすめします。
なぜなら、自分のレベルに合ったクラスで競うことができ、やる気がアップするからです。
また、競技団体によって大会の規模やレベルが異なりますが、どの団体も上手な選手が多いことは共通しています。
そのため、どの団体を選んでも勝つのは難しいということは覚えておきましょう。
どの競技団体でも上手い人は多いのだ!
競技団体を選ぶ際は、参加しやすさや情報が集めやすいかどうかから判断するのが良いでしょう。
また、おすすめの競技団体の選び方について詳しく説明します。
基本的にはどの団体でも大丈夫ですわ
先生の所属している団体
まず、あなたのダンスの先生が所属している団体を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、先生がその団体の特徴や規模に詳しく、相談しやすいからです。
社交ダンスの団体には、資格のない人でも出場できる大会がある一方で、制限が設けられている場合もあります。
そのため、事情に精通している先生に相談することで、間違いなく大会に参加できるようになります。
先生に相談することで不安なく大会に参加できますわ♪
筆者がおすすめする団体
JCF 日本プロフェッショナルダンス競技連盟
出典:JCF 日本プロフェッショナルダンス競技連盟ホームページ
この団体は「北海道総局」「東北総局」「東部総局」「中部総局」「西部総局」「九州総局」といった多数の支部を持ち、プロの競技ダンス団体としては日本で3番目に大きいです。
「ユニバーサルグランプリダンス選手権」「ギャラクシーマスターズダンス選手権」「統一全日本ダンス選手権」といった著名なプロ選手が参加する大会から、通常競技会まで、さまざまな大会を主催しています。
小さい大会から大きい大会まで様々なのだ,,,
参加するべきは通常競技会で、ほぼ毎月大会が開催されているので非常に参加しやすいのが特徴です。
また、大会のレベルは初心者レベル~上級者レベルまで様々で、参加者も多いわけではないため初心者がまず始めるにあたってはとても良い団体です。
大会の雰囲気もマイルドで、参加しやすいでしょう。
初心者がまず始めるなら「日本プロフェッショナルダンス競技連盟」がおすすめ
JBDF 日本ボールルームダンス連盟
この団体は、社交ダンス界では「財団」とも通称され、日本で最も大きな競技ダンス団体の一つです。
参加者の人数とレベルが非常に高いことで知られています。
主要な大会には「JBDF全日本ダンス選手権大会」や「マダム・ローカップ統一全日本ダンス選手権大会」など、全国規模のものが含まれます。
財団はレベルと規模がとても大きいのだ
この団体の特徴は、高い競技レベルと参加者の多さです。
前述の団体よりも人数もレベルも高く、真剣に競技ダンスを目指す方には特におすすめです。
参加してみると、他の団体と比べて独特の緊張感があることが感じられます。
ただし、初心者向けの大会が年に数回しか開催されないのがデメリットです。
N級の大会が少ないのが少し悲しいのだ
また、大会は毎月開催されていますが、各級ごとに毎月大会があるわけではないため、参加を考える際にはスケジュールをよく確認する必要があります。
財団はレベルが高く、初心者よりは慣れてきたときに参加するのがおすすめ
大会のルールについて
大会の基本的なルールについて説明します。
まず、フロアを回るダンスでは、一般的に「LOD(Line Of Dance)」と呼ばれるルールに従って、反時計回りに踊ります。
クルクル周りながら踊ることですわ
次に、選手は約10人ごとにグループ分けされます。それぞれのグループを「ヒート」と呼びます。
予選では、ヒートごとに選手たちが同時に踊り始め、フロアサイドにいる審査員が評価を行い、順位を決定します。
予選から準決勝にかけての審査方法は「チェック法」という方式を使用します。
これは、各審査員が選手にチェックを入れ、チェックが多い順に選手が次のラウンドへ進む方式です。
上手い人がどんどんと勝ち上がっていくのだ
決勝では、「スケーティング方式」が採点されます。この方法では、審査員が各選手につけた順位を小さい順に整理し、その中央値が小さい順に順位が付けられます。
つまり、中央値が最も小さい選手が1位となります。
大会参加時の注意点
初心者が大会に参加するときは何がなんだかわからなくなるくらい緊張するものです。
また、大会参加時に注意したほうが良いことはわからないでしょう。
まずはこれに気をつけておくべきことについて解説していきます。
服装
社交ダンスの大会に初めて参加する際、最初に出場するクラスは「ノービス級」と呼ばれます。
このクラスを通過すると、初めて大会に参加する資格が与えられます。
ノービス級では、団体ごとに服装の規定が異なるため、注意が必要です。当然間違った服装では大会の参加が許されません。
例えば、ある大会では燕尾服の着用が必須である一方で、別の大会では燕尾服を着用してはいけないという規定があります。
大会に出る前には、その大会が属する競技団体のホームページを確認し、服装規定を含む大会の要項を必ずチェックしましょう。
競技団体ごとに服装規定が違うため必ずチェックすること
ルーティンを作る
「ルーティン」とは、ステップを組み合わせて踊る順序を決めたものです。
特にノービス級の大会では、使用できるステップが事前に定められているため、注意が必要です。
もし規定されたステップ以外を使用してしまうと、審査員から注意を受け、場合によっては失格となることがあります。
規定以外のステップを行うと呼び出しがかかるのだ……
このような問題を避けるためにも、大会に参加する前には必ず大会要項を確認し、使用できるステップをチェックしましょう。
もしわからない場合は先生に聞いてみるとよいでしょう。
教本などを読み使用できるステップを確認する必要がある
準備するもの
多くの人が最初は多くのアイテムを準備しますが、慣れてくると不要なものを省いたり、必要に応じてアイテムを追加したりすることができます。
ここで基本的なアイテムを選んで紹介しますので、参考にしてみてください。
- ・衣装
-
必須ですので忘れないようにしてください。小物や付属品もチェックしましょう。
- ・ダンスシューズ
-
練習靴と間違えないように注意しましょう。また、大会用に一足持っておくと底がきれいな状態で使えるのでおすすめです。
- ・メイク道具
-
一式の詰まったメイクボックスを作っておくと便利です。ボックスは100均のものが安くておすすめです。
- ・替えの下着
-
汗をかくので下着は複数枚用意しましょう。
- ・ランドリーバッグ
-
汗をかいたものをそのまましまえるので便利です。
- ・安全ピン
-
受付でもらえますが、あったほうが万が一のときに便利です。衣装が壊れたときやもらい忘れた際に重宝します。
- ・裁縫道具
-
衣装が破れた際に必要になります。実際にとなりの人で補修していた人がいました。簡単なセットで大丈夫です。
- ・箱ティッシュ
-
地味にあると便利です。競技会ではよく使います。よく使うので個性的なティッシュケースをつけると愛着が湧いておすすめです。
- ・ゴミ袋
-
ご飯を食べたり靴底を掃除した際にゴミが出たりするので必須です。多くの場所はゴミ箱がないためもっていくようにしましょう。
- ・レジャーシート
-
場所取りのために必要です。床が冷たいことが多いので、生地が厚めなものを選びましょう。
- ・タオル
-
汗をたくさんかくので数枚は準備しましょう。
- ・スプレー
-
セットした髪が崩れた場合に必要です。小さいものが持ち運びやすくておすすめです。
- ・絆創膏
-
靴擦れしたりしたときにあるとよいでしょう。特に女性のシューズでは靴擦れしやすいのであると便利です。
- ・スリッパ
-
トイレに行ったり、周りを少しウロウロしたりするときにあると便利です。
- ・滑り止め
-
必需品です。大会の場所によっては床がかなり滑るため必ずもっていくようにしましょう。
- ・飲み物
-
ものすごく汗をかいたり緊張で水分が欲しくなります。また、会場付近では売ってないこともあるため、あらかじめ買いましょう。多めに持っていくとよいでしょう。
- ・食べ物
-
大会ではエネルギーを多く使うので必須です。おにぎり、バナナ、ゼリー飲料などがおすすめです。
- ・折りたたみ椅子
-
本当にあると便利です。座れるか座れないかで疲労度がものすごく変わります。小さいものがスペースをとらないのでおすすめです。
- ・折りたたみ衣装掛け
-
本当にあると便利です。ないと衣装を床に置かないといけないので余計にスペースをとりますし、大切な衣装にシワができたりします。
大会に参加するまでの流れ
大会に参加するまでの大まかな流れを説明します。
出場する大会を決めましょう。
習っている先生の団体を選ぶと色々アドバイスがもらえるのでおすすめです。
大会で使用する足型のルーティンを決めましょう。
大会要項で使用できる足型が掲載されているので必ず確認しましょう。
半周のルーティンを最低作れば問題ありません。
使用する衣装を決定します。
これも大会要項に使用できる服装が掲載されているので必ず確認しましょう。
これから本格的に始めるのであればレンタルするのではなく購入するのが良いでしょう。
まずは中古品でも問題ありません。
大会のエントリーは忘れないようにしましょう。
おおよそ一ヶ月前くらいから予約が可能になるので団体のホームページからエントリーしましょう。
エントリーをはがきで行わないといけないとこも以前はあったので注意しましょう。
髪上げの予約をしましょう。
先生がおすすめしている美容室を使用するのが良いでしょう。
ただし、人気のところは予約が埋まってしまうため、最低一ヶ月前には予約すると良いでしょう。
大会当日の流れ
大会当日の流れはある程度把握しておくと気持ちが焦らず準備万端の状態で大会に臨めるでしょう。以下の解説を読んでなんとなくシュミレーションしておくことが大切です。
多くは髪上げを前日にしており、寝るときは寝づらくなるので注意が必要です。
うつ伏せに寝たりする工夫が必要なため少し慣れておいた方が良いでしょう。
起床はなるべく早くすることをおすすめします。
メイクしたり髪上げをしたりするため出発の2~3時間前には起きるようにしましょう。
髪上げで睡眠不足気味であると思いますが、気合で起きましょう。
大会に忘れないように使わないものは前日にある程度準備をするとよいでしょう。
準備しないといけないものは前述したチェックリストを参考にしてください。
移動にはキャリーケースがあると移動が楽になりおすすめです。
バックでも問題ありませんがある程度の大きさが必要になるので注意しましょう。
また、電車移動では格好が目立つため気になる人はサングラスで顔を隠すのも良いかもしれません。
会場につくとまず控室に直行しましょう。
まずは場所取りがあるため少し早めに行くことをおすすめします。
目安としては受付の30分~1時間前くらいが良いでしょう。
場所取りの際はレジャーシートを活用しましょう。
受付時間になったらエントリーしましょう。
受付にはハガキが必要な場合もあるため忘れないようにしてください。
また、女性のヒールカバーのチェックがあるときもあります。
必要に応じて女性のシューズを持っていきましょう。
大会は全力で臨めるように調整しましょう。
大会本番は緊張するため自分の気に入った音楽などを聞くと良いでしょう。
また、体が固まりやすくなるため体をほぐすためのストレッチ道具やマッサージガンを使用するとリラックスできて良いでしょう。
大会後は想像以上に疲労しているのでゆっくりと休みましょう。
衣装は陰干したり、クリーニングに出したり洗濯を行いましょう。
どれくらいのレベルで参加できるのか
社交ダンスのノービス級の大会に参加できるようになるためには数ヶ月~半年程度が目安と考えてください。
では、踊るためにはどのような課題をクリアしないといけないかというと、以下の課題をクリアする必要があります。
- 2種目それぞれ半周ずつ踊れるようになる
- 曲のリズムとステップのカウントを理解している
多くの団体では、必要な種目は2つです。団体によって組み合わせが決まっている場合もあれば、異なる組み合わせの場合もあります。競技規定や競技日程を確認してください。
また、曲のリズムをしっかりと理解することも重要です。さまざまな曲でリズムをつかめるように、練習を重ねてください。
大会当日にどんな曲がかかるか分からないので、なるべく多くの曲を聴いておきましょう。
日頃から社交ダンスの曲を聞くようにするのだ
さらに、ステップのカウントと曲のリズムを合わせて踊れることが必要です。
曲のリズムとステップが合っていないと、見た目が良くないだけでなく、社交ダンスとして成立しません。
リズムに乗って踊るのが苦手な方は頑張って練習しましょう。
- 2種目踊れるようにする
- 日頃からカウントと曲を合わせられるようにする
記事のまとめ
記事をまとめます。
- 初心者には公式競技団体が主催する大会への参加がおすすめ
- 参加する競技団体は先生の所属団体が安心
- JCFは初心者から上級者まで参加しやすい大会が多い
- JBDFは競技レベルが高く真剣な選手向け
- 競技会のフロアではLODに従い反時計回りに踊る
- ヒートごとに踊り、予選はチェック法で審査する
- 決勝ではスケーティング方式で順位を決める
- 初心者が参加する際は服装規定を確認する
- ルーティンは規定ステップで作ることが必要
- 必要なアイテムをリスト化し忘れ物に注意する
- 移動時にキャリーケースがあると便利
- 会場では早めに控室へ行き場所取りをする
- 受付では必要な物を確認し忘れ物をしないようにする
- 大会当日はストレッチで体をほぐすと良い
- 体力を使うため、十分な飲み物と食べ物を持参する
- 初心者がノービス級に参加できるまでには数ヶ月かかる
社交ダンスの初心者が大会に参加するのは大きなステップです。
しかし、適切な大会の選び方や参加前の準備、そして当日の流れを把握しておけば、不安を最小限に抑えられます。
この記事で紹介したポイントを活かして、競技団体の特徴やルールを理解しながら、練習を重ねていってください。