「凡人でもゆるトレーニングで本当に上達できるのか?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
筋トレやハードな運動が苦手でも、身体の使い方を深いレベルから変えていく方法があります。
それが「ゆるトレーニング」です。
本記事では、専門種目の取り組みや身体意識の認識力の鍛え方、そして継続のための意志力づくりまで、凡人でも無理なく取り組める上達について詳しく解説します。
今の自分の限界を超えて、上達したいという方は、ぜひ読み進めてみてください。
- 凡人でもゆるトレーニングで上達するための具体的な方法
- 身体意識を深めるための専門種目やゆる体操の活用法
- トレーニング効果を高める身体意識の認識力の鍛え方
- 継続して取り組むための意志力や環境づくりのポイント
専門種目で身体意識を深める

ゆるトレーニングで成果を出すためには、まず「フリーな身体意識」を土台として育てる必要があります。
しかし、現代人の多くは、長時間のデスクワークや運動不足、ストレスなどによってスティフな身体意識が染みついており、日常生活だけで自然にフリーな身体意識が形成されることはほとんどありません。
また、身体意識を認識するには、自分の体に対する深い認識力が欠かせません。
ところが現代人は運動不足あるいは情報化より体への感覚が乏しくなっており、結果として身体意識そのものを認識することが難しくなっています。
自分の体が今どのように感じているかを掴めなければ、フリーな身体意識を得ることはできません。
日常生活ではフリーな身体意識を作るのは不可能
そこで重要となるのが、「専門種目に取り組むこと」です。
ここでいう専門種目とは、武道・舞踊・演劇・競技スポーツなど、身体を深いレベルで使い込む体系的な活動を指します。
例えば、剣道や合気道では「立つ・構える・一歩踏み出す」といったシンプルな動作を徹底的に鍛錬し、全身の重心の置き方や力の伝達を深く意識します。
バレエや日本舞踊では、全身をしなやかに連動させる高度なコントロールが求められます。
こうした繰り返しの訓練は、身体意識の深部にまで働きかけ、スティフな意識を徐々にフリーな意識へと作り変えていくのです。
専門種目を通して身体意識を鍛える土台ができる
さらに、専門種目では強度の高い運動や長期的な鍛錬が必要となります。
フリーな動きは全身の連動性や関節の可動域、筋力・代謝の基盤が整って初めて成立します。
専門種目で数千回・数万回と動きを反復することは、単なる技術習得ではなく、身体意識そのものを作り上げる作業でもあるのです。

ゆる体操でゆるみ度を高める

ゆるトレーニングを効果的に進めるためには、身体の「ゆるみ度」を高めることが欠かせません。
ここでいうゆるみ度とは拘束的でスティフな身体意識が少なくなりフリーな身体意識になるということです。
現代人は長時間のデスクワークやスマートフォン操作、慢性的なストレスによって体が固まりやすく、無意識のうちに力みが抜けなくなっています。
このようなスティフな身体では、いくら高度なトレーニングを行っても身体意識の深層までは変化せず、フリーな身体意識の形成は困難です。
そこで有効なのが、高岡英夫氏が開発した全身の体操法の「ゆる体操」です。

ゆる体操で身体をゆるめるのですわ♪
ゆる体操はでゆすったりゆらしたりすることで身体をゆるめることを目的としています。
具体的には、肩や腰、首などを小さくゆらす、ゆする、ひねるといったシンプルな動きが中心で、難しい技術や体力を必要としません。
しかしその効果は非常に大きく、こわばった筋肉や関節を少しずつほぐし、体が本来もっている自然な動きを取り戻すことができます。
さらに、ゆる体操には心身のリラックス効果もあります。
力みの解放は神経系にも作用し、自律神経のバランスを整えるため、ストレスが減り、呼吸が深まりやすくなります。
ゆる体操をすることでスティフな身体意識が少なくなる
こうして全身がゆるんでくると、身体感覚が鋭敏になり、自分の体の状態をより深く認識できるようになります。
重要なのは、毎日少しずつ継続することです。
1日10〜30分程度、就寝前や起床時などリラックスしやすい時間に取り組むのが効果的です。
独学でも始められますが、より高い効果を得るには専門の教室で指導を受けることが良いでしょう。


身体意識の認識力を鍛える


ゆるトレーニングで成果を出すために欠かせない要素のひとつが、身体意識の認識力です。
ここでいう認識力には大きく分けて2つあります。
- 身体意識を感じる力
- 身体意識に浸って再現する力
身体意識を感じる力
まず必要なのは、身体意識がどのようなものかを感じ取る力です。
先生が行った技や動きを見て、「今この人はこういう身体意識を使っている」と感じ取れることが大切です。
さらに、自分自身のトレーニングや動画を見たときに、どのくらいその身体意識ができているかを客観的に判断できるようになる必要があります。



コレが養われないと身体意識がわからないのだ…
この力が身につくと、単なる動きの形だけでなく、その裏にある「意識のあり方」まで見えるようになり、より深く身体意識を理解できるようになります。
身体意識に浸って再現する力
次に必要なのが、一度感じ取った身体意識を自分の中で再現できる力です。
身体意識がわかるようになってくると「こういう意識が存在する」という感覚がでてきます。
それをただ知識として理解するだけでなく、自分の体の中でその意識を再現し、意図的にその状態に入れることが必要になります。



コレはおそらく正しいけど微妙かもしれないのですわ…
これができるようになって初めて身体意識を理解できたと言えるようになります。
認識力を鍛える方法
認識力を鍛えるためには、体の変化を観察し、感じたことを再現する習慣が必要です。
たとえば、トレーニング前後で呼吸の深さや姿勢、足の接地感の違いを比較する、鏡や動画で自分の動きを確認する、感じた感覚を言葉にして記録する、といった方法が有効です。
これにより、身体意識を感じる力と再現する力の両方が少しずつ養われていきます。
この認識力が高まると、自分の体のズレや不要な力みに気づき、トレーニングを自ら修正できるようになります。



師匠がいなくてもある程度再現できるようになってくるのだ
さらに、上達してくるにつれて達人や熟練者の動きを見たときに、「内的の構造」を感じ取り、自分の身体意識として再現することが可能になります。
つまり、認識力を鍛えることは、単なる補助ではなく、身体意識を深めてゆるトレーニングの効果を最大化するために重要なのです。


継続する意志力を育てる


ゆるトレーニングで成果を出すためには、継続する意志力が不可欠です。
どれほど優れた理論や方法を知っていても、続けられなければ意味がありません。
特にゆるトレーニングは、筋トレのように短期間で目に見える効果が出るわけではなく、身体意識の深層を少しずつ変化させる長期的な取り組みです。
そのため、多くの人は途中で成果が感じられず、挫折してしまいます。



僕も半分挫折しそうになっているのだ…
ここで大切なのは、短期的な情熱ではなく、長期的な覚悟です。
身体意識を変えるということは、自分の「体の設計図」を書き換えることに等しく、それには膨大な反復と時間が必要です。
身体意識をつくるには継続した取り組みが不可欠
だからこそ、続けるための仕組みづくりと意志力の育成が重要になります。
意志力を育てるためには、まず小さな成功体験を積み重ねることが有効です。
たとえば「1日10分のゆる体操から始める」「週1回専門種目の稽古に通う」など、達成可能な目標を設定し、達成感を積み上げていきます。
こうした成功体験は自己効力感を高め、続ける力の土台となります。
さらに、環境づくりも欠かせません。一人で続けるのは困難ですが、指導者や仲間と取り組めば習慣化しやすくなります。



良い師匠を見つけるのもとても大切ですわ!
また、自分がなぜゆるトレに取り組むのかという明確な動機(健康の回復、競技力向上、生涯の身体作りなど)を持つことで、困難な時期を乗り越える支えとなります。
継続する意志力が育てば、少しずつ身体意識は変わり始めます。
小さな変化の積み重ねがやがて大きな飛躍につながり、「自分の身体が変わってきた」という実感がさらなるモチベーションとなるのです。
記事のまとめ
記事をまとめます。
- フリーな身体意識を身につけることがゆるトレーニング上達の土台である
- 現代人はデスクワークやストレスでスティフな身体意識に陥っている
- 専門種目は身体を深いレベルで使い込み身体意識を鍛える最短ルートである
- 武道や舞踊は重心や連動性を徹底的に鍛える有効な手段である
- ゆる体操は筋肉や関節をゆるめ身体本来の自然な動きを取り戻す
- ゆる体操は自律神経を整えストレス軽減や呼吸改善にもつながる
- 身体意識の認識力を鍛えることで自分の状態を客観的に把握できる
- 認識力は身体意識を感じる力と再現する力の両方が必要である
- トレーニングの前後で感覚や姿勢の変化を観察することが有効である
- 継続する意志力がなければ身体意識の変化は起こらない
- 小さな成功体験を積み重ねることが継続のモチベーションになる
- 指導者や仲間との環境づくりが習慣化を助ける
- 明確な目的意識が困難を乗り越える支えになる
ゆるトレーニングは、特別な才能や強靭な体力がなくても、誰でも始められる実践法です。
しかし、ただ続けるだけではなく、身体意識を深め、ゆるみ度を高め、認識力と意志力を育てることが上達への鍵となります。
凡人であっても、正しい方法でコツコツ取り組めば、確実に身体は変わっていきます。
小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成長につながります。
今日からでも、自分のペースでゆるトレーニングを始め、少しずつ上達を実感していきましょう。