社交ダンスを始めたばかりで、ホールドに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
「肩が上がって疲れる」「ホールドが綺麗に見えない」と感じている方も少なくないでしょう。
この記事では、社交ダンスのホールドの基本と、その上達のためのポイントについて詳しく解説します。
ホールドの作り方を身につけることで、ダンスの美しさが一段と際立ちます。ぜひ参考にして、安定したホールドを手に入れましょう。
- 社交ダンスのホールドの基本と重要性
- 効率的なホールドの作り方と維持方法
- ホールドが崩れる原因とその対策
- 肩甲骨や肋骨を使った具体的なトレーニング方法
社交ダンスのホールドの基本
社交ダンスを始めたての人でホールドについて悩む人はとても多いと思います。
「肩が上がってしまって疲れる…」「ホールドが全く綺麗に見えない…」と思う方もいるでしょう。
ホールドを作る時のポイントを抑えることで上達が早まります。これから詳しく解説していきます。
ホールドの作り方
軸を作る
まず、ホールドの基本となるのは自分の「軸」です。これは「センター」や「正中線」とも呼ばれます。
「ホールドと軸は関係ないのでは……」と思うかもしれませんが、実は軸とホールドは深く関係しています。
軸をしっかり保つためには、腸腰筋、肩甲骨周り、肋骨周りの筋肉を適度に締める必要があります。
これにより肩甲骨や肋骨が安定し、ホールドを取りやすくなります。
軸はホールドでもとても重要なのですわ♪
反対に、これらの筋肉が締まっていないと、肩に余計な力が入ってしまい、肩が疲れやすくなります。
腕を横に伸ばす
腕を横に伸ばす際の注意点をいくつか覚えておきましょう。
- 筋金を作る
- 腕は真横に伸ばさない
筋金とは、骨に力を入れて骨で体を支えることを指します。
実際には骨の周りのインナーマッスルが働いていますが、感覚としては骨で体を支えるように感じます。
筋金を作ることで、表面のアウターマッスルが使われず、表面の力みが減ります。
その結果、インナーマッスルが効率的に使われ、ホールドがより安定し明確になります。
また、腕を伸ばす時は、腕を横に伸ばす意識を持ちながらも、実際には若干前に出します。
具体的には、腕の角度を180度ではなく、150度前後にします。
これは「ゼロポジション」とも呼ばれ、上腕骨と肩甲骨の軸が一致する位置です。この位置にすることで、肩甲骨と上腕骨の位置が非常に安定します。
ゼロポジションは重要な概念だから覚えるのだ!
社交ダンスでは、右腕のホールドをゼロポジションにすることで、パートナーとのスペースを確保しながら、安定したホールドが取れます。
- 筋金
- ゼロポジション
パートナーとの組み方
側軸を作る
パートナーと組んで踊るときは、自分の右半身を相手に合わせることが大切です。その際に「側軸」を意識しましょう。
側軸とは、股関節から上下に伸びる軸のことです。特に重要なのは、自分の右股関節から伸びる側軸です。
中央軸と側軸ができれば社交ダンスはすごく上達するのですわ
この側軸を意識すると、自分の軸を保ちながら、半身を使って相手と踊ることができます。
これにより、自分の姿勢を維持しつつ、相手をうまくコントロールできるようになります。
共通軸をつくる
共通軸は「コモンセンター」とも呼ばれ、自分の軸と相手の軸の間にできる軸のことです。これはカップルで踊る際の動きの中心となります。
自分の軸をしっかりと保つことは重要ですが、自分の軸だけで動いてしまうと、社交ダンスとしての動きが成り立ちません。
なぜなら、動きの中心となるのは自分の軸ではなく、共通軸だからです。
自分の軸を保ちながらも、共通軸を意識してコントロールすることが大切です。
中央軸と共通軸を使い分けるのが上達のポイント
ホールドが崩れる原因と対策
ホールドが崩れてしまう原因は主に2つあります。
- 必要以上に力んでいる
- 必要な部分が使われていない
多くの人が、腕に力を入れるときに僧帽筋にも力を入れてしまいます。
僧帽筋は肩甲骨を上げる働きがあるため、ここに力が入るとホールドが上がってしまいます。
さらに、腕自体に力が入ることで腕を上げる力も働き、ホールドがうまくできなくなります。
- 僧帽筋が力んでしまう
- 腕に余計な力が入る
また、必要な部分が使われていないのも原因になります。
どの部分を使うべきかわからず、他の部分で補おうとすると、結果的に力みにつながります。そのため、ホールドを作る際に必要な部分を理解することが大切です。
使うべきポイントを理解するのだ
ホールドを安定させるための具体的なポイント以下のポイントがあげられます。それぞれについて詳しく解説していきます。
- 背芯
- 肩包面
- 肩甲骨
- 肋骨
- 筋金
背芯
背芯とは、わかりやすく言うと首の付け根の部分のことです。特に「胸椎一番目」を意識するとよいでしょう。
この部分に意識を集中することで、頭を支えやすくなり、首の下でバランスが取れます。
その結果、肩甲骨の位置が自然と下がるようになります。
肩包面
肩包面とは、肋骨と肩甲骨の間の部分を指します。
この部分には細かな筋肉群があり、肩甲骨が肋骨の上で滑らかに動く役割を果たしています。
また、この部分をしっかり使えるようになると、肩甲骨を肋骨に押し付けることができるようになり、肩甲骨の位置を下げることができます。
肩包面でホールドが自由に動かせるのは大切ですわ
肩甲骨
肩甲骨と上腕骨を一致させて土台を作ることで、肩に力の流れを作ることができます。
これが一致しないと僧帽筋が働いてしまい、肩が上がりやすくなります。
まず、肩甲骨と上腕骨を直線上に使う感覚を身につけることが大切です。
さらに、菱形筋や前鋸筋など、肩甲骨周りのインナーマッスルの感覚を高めることで、より肩甲骨を意識しやすくなります。
肩甲骨を使いこなすのは重要なのだ
肋骨
肋骨を意識することで、肩甲骨の土台として肋骨を活用できるようになります。
これは積み木のようなイメージです。肋骨を土台にし、その上に肩甲骨を乗せて安定させます。特に、肋骨全体よりも上部を意識すると、より効果的です。
また、肋骨を右の図のようなラインで使えるようになると、肋骨の動きの自由度がさらに増します。
筋金
筋金とは骨で体を支える意識のことです。筋金で重要なポイントは以下のとおりです。
- 肩甲骨から上腕骨
- 背骨
- 骨盤から股関節・大腿骨
これらの部分で骨をしっかり支える感覚を身につけると、体の力みがなくなります。
骨で体を支えることで、筋肉を必要以上に使わなくて済むようになります。
骨を使いこなせると他のこともできやすいのですわ!
ホールドをうまくするための練習方法
立甲
立甲とは、四足の姿勢で腕と肩甲骨を一致させて肩甲骨を立てることです。
まず、腕で体をしっかり支えた後、首と肩の力を抜くことで自然に肩甲骨が立ち上がります。
もし肩甲骨が立ち上がらない場合は、肩甲骨周りが固い可能性があるので、まず柔らかくすることから始めましょう。
まずは肩甲骨を柔らかくするのだ
ポイントとしては、肩甲骨と上腕骨を一直線にし、肘の力を抜くことです。
立甲を行うと、腕と肩甲骨が一致し、背中から腕へのラインに綺麗に力が入るようになります。
- 腕でしっかりと支える
- 首・体幹部の力を抜く
肩甲骨はがし
肩甲骨はがしは、肩甲骨周りの筋肉を柔らかくする方法です。
肩甲骨や肋骨の間をマッサージして、肩甲骨の動きを良くすることが目的です。肩甲骨の自由度が低いと、立甲ができなくなる原因になるため注意が必要です。
パートナーとゴリゴリ肩甲骨をはがすのがおすすめですわ♪
また、僧帽筋周りが固まっていると肩が上がりやすくなるので、日頃からほぐしておくことが重要です。
詳しい方法については、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
肩甲骨腕立て
肩甲骨腕立ては、肩甲骨周りの筋肉を鍛える方法です。特に前鋸筋を強化する効果があります。
立甲の姿勢で行うと、肩甲骨と上腕骨を集中的に鍛えられるのでおすすめです。
できない時は立甲のみをやってみるのだ
腕で肩甲骨をしっかり支えた状態で首の力を抜き、肩甲骨周りの筋肉だけで首の付け根を持ち上げ、肋骨と肩甲骨を近づけます。
体幹に力が入るとできないので、なるべく力を抜くようにしましょう。
肋骨トレーニング
立甲の姿勢で肋骨を回して、肋骨周りを鍛える方法です。肋骨を前から下に、そして後ろから上に向かって回転させましょう。
肋骨を赤いライン上でしっかり支えている感覚で行うと、非常に効果的です。
- 肋骨のみを回転させる
- 肋骨のみに負荷をかけるようにする
おすすめの書籍
これから紹介する本には「肩甲骨」「軸」が重要な理由を詳しく解説されていて、それらの理解を深めるための具体的なトレーニング方法が書かれています。
社交ダンス専門に書かれたものではありませんが、どのスポーツ分野にも応用可能な内容となっています。
本の方がより詳しく書かれていて勉強になるのだ
無論、筆者も読んで実践しており非常にわかりやすい内容です。
トレーニングの基礎や理論から学びたい方に特におすすめの書籍ですので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
特に、軸という概念をこれほど細かく解説した本は見たことがありません。また、古い書籍ですが今でも十分有用な内容となっています。
記事のまとめ
記事をまとめます。
- ホールドの基本は自分の軸を保つこと
- 軸は「センター」や「正中線」とも呼ばれる
- 腸腰筋、肩甲骨、肋骨の筋肉を引き締める
- 肩甲骨や肋骨が安定するとホールドが取りやすい
- 筋金を作ることが重要
- 骨で体を支える意識が必要
- 腕は真横ではなく若干前に伸ばす
- ゼロポジションを意識する
- 肩甲骨と上腕骨の軸を一致させる
- パートナーと組む際は側軸を意識する
- 側軸は股関節から上下に伸びる軸
- 共通軸(コモンセンター)を意識する
- 自分の軸だけでなく共通軸で動く
- ホールドが崩れる原因は力みと必要な部分の未使用
- 僧帽筋に力を入れないよう注意
- 必要な部分を理解し使うことが重要
- 背芯は首の付け根、特に胸椎一番目を意識
- 肩包面は肋骨と肩甲骨の間
- 肋骨を意識して肩甲骨の土台とする
- 立甲は四足の姿勢で肩甲骨を立てること
- 肩甲骨はがしで肩甲骨周りの筋肉を柔らかくする
- 肋骨トレーニングで肋骨周りを鍛える
- 肩甲骨腕立てで前鋸筋を強化する
- 筋金で肩甲骨から上腕骨、背骨、骨盤を支える
- 肩甲骨と上腕骨を直線上に使う感覚を身につける
社交ダンスのホールドは、美しいダンスを実現するために欠かせない要素です。
自分の軸をしっかり保ち、筋肉の使い方を意識することで、安定したホールドが作れます。
ポイントを押さえて練習を重ねることで、肩の力みがなくなります。
ぜひ今回紹介した方法を取り入れて、社交ダンスのホールドをマスターし、ダンスの質を向上させてください。