呼吸を深くするトレーニングで姿勢改善と筋肉の緊張を和らげる方法

日常生活の中で「呼吸を深くするトレーニング」に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

現代社会ではストレスや疲労が蓄積しやすく、呼吸が浅くなることが原因で心身に様々な不調を感じることも少なくありません。

呼吸は無意識に行うものですが、実は意識してトレーニングを取り入れることで、自律神経を整え、エネルギー代謝を高め、筋肉の緊張を和らげることができるのです。

本記事では、呼吸を深くするトレーニングの重要性と効果的な方法について詳しく解説していきます。

記事のポイント
  • 呼吸を深くすることの重要性とメリット
  • 呼吸が浅い人の特徴や影響
  • 深い呼吸をサポートする呼吸筋の役割
  • 日常生活で呼吸を深くする具体的なトレーニング方法
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目次

なぜ深い呼吸が重要なのか

自律神経を整える

深い呼吸は、自律神経を整える重要な役割を果たします

自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は活動的な状態を、副交感神経はリラックス状態を司ります。

深い呼吸を行うことで、副交感神経が活性化し、リラックス効果が得られます。

自律神経のバランスは大切なのだ

このため、ストレスや不安を軽減し、心身をリフレッシュさせることができます。

特に、現代社会ではストレスを感じやすい環境が多いため、意識的に深い呼吸を行うことがストレス解消やメンタルケアに効果的です。

代謝を高める

深い呼吸を行うと、肺全体に酸素が行き渡り、血液中の酸素濃度が上昇します。

これにより、体全体の細胞に十分な酸素が供給され新陳代謝が活発になります

酸素はエネルギーを作るために必要な物質であり、代謝が活発になると疲労が回復しやすくなり、エネルギーの生産効率も向上します。

エネルギーが湧いてくるのですわ

逆に、浅い呼吸では酸素が十分に供給されず、体内のエネルギー代謝が低下してしまうため、疲れやすくなる原因となります。

筋肉の緊張を和らげる

深い呼吸は、正しい姿勢を維持するのにも役立ちます。

呼吸を行う際に使われる横隔膜や肋間筋が十分に動くことで、胸郭が広がり姿勢が自然と良くなります

特に、デスクワークやスマートフォンの使用で姿勢が悪くなる現代では、深い呼吸によって姿勢を改善することが重要です。

また、深い呼吸をすると肩や首、背中の筋肉がリラックスしやすくなり、筋肉の緊張をほぐす効果もあります。

これにより、肩こりや首の痛みの軽減にも繋がります。

精神状態を安定させる

前述の通り、深い呼吸は副交感神経を活性化させ、リラックス効果をもたらしますが、これには感情の安定にも大きく関係しています。

精神面も鍛えることができるのは驚きなのだ

深い呼吸を行うことで、怒りや不安といったネガティブな感情を和らげ、精神的なバランスを取りやすくなります。

特に、感情が不安定なときに意識的に深い呼吸をすることで、呼吸のリズムが整い、感情のコントロールがしやすくなります。

これにより、ストレスフルな状況でも冷静に対処できるようになるのです。

呼吸が浅い人の特徴

ストレスや不安を感じやすい

呼吸が浅い人は、ストレスや不安を感じやすい傾向があります。

精神が不安定になりやすいのですわ

浅い呼吸では、交感神経が優位に働きやすくなり、緊張状態が続きやすくなります。このため、心が常に不安定で、些細なことでも不安やストレスを感じやすくなります

また、ストレスや不安があると自律神経のバランスが崩れやすく、睡眠の質の低下や集中力の欠如などの問題が生じることもあります。

姿勢が悪くなる

呼吸が浅い人には、姿勢が悪く猫背になりがちな特徴があります。

浅い呼吸は、胸や肩の筋肉を使う胸式呼吸になりやすく、横隔膜をうまく使えないことが多いです。

このため、胸や肩の筋肉が緊張しやすく、自然と前かがみの姿勢を取ることが多くなります。

姿勢が悪くても呼吸が浅くなるのだ

特に、デスクワークや長時間のスマートフォン使用で猫背になりやすい環境が続くと、胸郭が圧迫され、さらに呼吸が浅くなるという悪循環に陥りやすくなります。

エネルギー不足を感じる

呼吸が浅い人は、酸素供給が十分でないために、疲れやすくエネルギー不足を感じることが多いです。

浅い呼吸では、体に必要な酸素が十分に取り込めず、代謝が低下してしまいます。

その結果、身体に酸素が行き渡らず、疲労感を感じやすくなります。

代謝が悪くなるのだ

さらに、運動や日常生活での活動中にもすぐに息切れを感じることが多く、体力の低下や持久力の不足を感じやすくなることも特徴です。

呼吸に重要な筋肉とは

呼吸は、肺が空気を吸い込んだり吐き出したりするだけでなく、周囲の筋肉が大きく関与しています。

呼吸に関わる筋肉を「呼吸筋」と呼び、これらの筋肉が連動して肺の拡張・収縮を担っています。

以下に、呼吸にとって重要な主要な筋肉について説明します。

横隔膜

横隔膜は、呼吸において最も重要な筋肉です。

胸郭と腹腔を隔てるドーム状の筋肉で、通常、吸息の際に下方向に動きます。

横隔膜が収縮すると胸郭が広がり、肺が膨張して空気を吸い込みます。

逆に、横隔膜が弛緩すると胸郭が狭まり、肺が縮んで空気を吐き出します。

呼吸の大部分はこの横隔膜の動きによって行われており、腹式呼吸の際には特に重要な役割を果たします

横隔膜が十分に機能していないと、呼吸が浅くなり、身体が酸素不足に陥ることがあります。

横隔膜が呼吸の基礎となるのだ

横隔膜をしっかりと使った深呼吸を行うことで、呼吸効率が向上し、全身に酸素が行き渡りやすくなります。

肋間筋

肋間筋は、肋骨の間に位置する筋肉で、胸郭の動きを補助しています。

肋間筋には外肋間筋と内肋間筋があり、それぞれが吸息と呼息に関わっています

外肋間筋は、吸息時に肋骨を引き上げ、胸郭を広げて肺を拡張します。これにより、空気が肺に入りやすくなります。

胸式呼吸も大切だから両方やるのですわ

内肋間筋は、呼息時に肋骨を引き下げ、胸郭を収縮させて肺から空気を押し出します。

肋間筋は、胸式呼吸の際に主に働いており、横隔膜と協力して胸郭の動きを調整します。

特に、激しい運動を行う際には、この筋肉が活発に働き、呼吸のリズムを整える重要な役割を担います。

日常生活で呼吸を深くするコツ

姿勢を意識して正す

日常生活で呼吸を深くするためには、まず姿勢を意識して正すことが大切です。

猫背や前かがみの姿勢では胸郭が圧迫され、肺が十分に膨らまず、呼吸が浅くなりがちです。

デスクワークやスマートフォンの使用時には、背筋を伸ばし、肩をリラックスさせて座るようにしましょう。

体の軸を整えるのですわ

また、頭が前に突き出てしまわないように、モニターやスマホの位置を目線の高さに合わせることも重要です。

正しい姿勢を取ることで、横隔膜や肋間筋が自由に動き、自然に呼吸が深くなります。

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意識的に深呼吸を取り入れる

忙しい日常でも、意識的に深呼吸を行うことで呼吸を深くする習慣を身につけられます。

例えば、朝起きた時や寝る前、仕事や家事の合間などに数分間の深呼吸を取り入れましょう

深呼吸の際は、鼻からゆっくりと息を吸い込み、腹部を膨らませるように意識します。

息を吸いきったら、口からゆっくりと息を吐き、腹部が元に戻るのを感じながら行います。

鼻で息を吸って口から必ず吐くようにするのだ

深呼吸は、リラックス効果もあるため、ストレスが溜まったときや、集中力が途切れたときにも効果的です。

毎日の生活の中で意識的に深呼吸を行うことで、自然と呼吸が深くなる習慣がつきます。

胸式呼吸と腹式呼吸が大切な理由

呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があり、それぞれが異なる役割を持ちながら、私たちの健康や日常生活に重要な影響を与えています。

どちらも正しく使い分けることで、呼吸の質が向上し、心身のバランスを整えることができます。

それでは、なぜ胸式呼吸と腹式呼吸の両方が大切なのかを説明します。

胸式呼吸

胸式呼吸は、主に肋間筋を使って胸郭を広げる呼吸法です。

息を吸うときに胸が膨らむのが特徴で、短い時間で酸素を素早く取り込むことができるため、緊急時や身体が活発に動いているときに重要な役割を果たします。

例えば、スポーツや激しい運動中、またはストレスを感じたときには胸式呼吸が自然と優位になります。

これは、心拍数が上昇し、体内の酸素需要が急激に増加するためです。

胸式呼吸は、このような「瞬発力」や「即時対応」が求められる場面において非常に有効です。

また、驚きや恐怖などに伴って自然に胸式呼吸になることもあります。

胸式呼吸をしっかりと活用することで、短時間で必要なエネルギーを補い、ストレスや緊張感を克服する手助けとなります。

腹式呼吸

一方、腹式呼吸は、横隔膜を主に使い、腹部を膨らませる呼吸法です。

胸式呼吸よりもゆっくりと深い呼吸が可能で、安定した酸素供給とリラックス効果をもたらすのが特徴です。

腹式呼吸は、通常、リラックスしている状態や眠っているときに自然と行われていることが多いです。

腹式呼吸は副交感神経を活性化し、リラックスを促す効果があります。

例えば、ヨガや瞑想、呼吸法を取り入れたリラクゼーションでは腹式呼吸を主としています。

これにより、心拍数が落ち着き、血圧が安定し、心身ともに深いリラックスを得ることができます。

また、腹式呼吸は、横隔膜を大きく動かすため、内臓にマッサージ効果を与え、消化器官の働きを助ける効果もあります。

深い呼吸によって腹部が刺激され、腸の働きが活発になり、便秘などの改善にも役立つと言われています。

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両者のバランスが健康を支える

胸式呼吸と腹式呼吸は、どちらか一方だけが重要というわけではなく、両者のバランスが重要です。

胸式呼吸は、活動的な場面で素早くエネルギーを供給するのに役立ち、腹式呼吸はリラックスや身体の回復を促進します。

普段の生活では、意識的に両方の呼吸法を使い分けることで、体調管理やストレスケアがしやすくなります。

両方やってインナーマッスルを鍛えるのですわ

例えば、仕事中や運動中は胸式呼吸が自然と多くなりがちですが、休憩時間やリラックスしたいときには腹式呼吸を取り入れることで、緊張をほぐしし、リフレッシュすることができます。

さらに、深い呼吸法の習得は、肺活量を向上させ、心肺機能を強化する効果があります。

基本にして最強の呼吸法とは

呼吸を支える坐骨座り

坐骨座りとは、骨盤の下部にある坐骨という骨を椅子や床にしっかりと接触させて座る姿勢のことです。

この姿勢は、背骨や骨盤を正しい位置に保ちやすく、特に呼吸に関して重要な役割を果たします。

以下に、坐骨座りが呼吸法にとって重要な理由を詳しく説明します。

呼吸筋を効率的に動かす

坐骨座りをすることで、背骨を中心とした理想的な姿勢を維持できます

正しい姿勢を保つことで、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が自由に動きやすくなります。

特に横隔膜は、呼吸時に上下に動くことで肺の拡張と収縮を助けますが、姿勢が悪いと横隔膜が圧迫され、その動きが制限されてしまいます。

座り方に必ず注意するのですわ

例えば、猫背や前かがみの姿勢では胸郭が圧迫され、深い呼吸ができず、呼吸が浅くなりがちです。

しかし、坐骨座りをすることで胸が開き、横隔膜が十分に動けるスペースが確保されるため、自然に深い呼吸ができるようになります。

結果として、酸素を多く取り入れ、二酸化炭素をしっかりと排出できるため、呼吸が効率的になります。

腹式呼吸がしやすくなる

坐骨座りは、体幹を安定させる効果があります。

腹式呼吸は横隔膜を主に使って行う呼吸法ですが、坐骨座りをすることで骨盤や腰周りの筋肉がリラックスし、横隔膜の上下運動がスムーズに行われるようになります。

さらに、坐骨座りをすると背骨の前後のバランスが整い、呼吸筋が均等に使われるようになります。

これにより、体幹が安定することで腹部や骨盤周りの筋肉に無駄な力が入らず、自然にお腹が膨らんだり縮んだりする動きがしやすくなります。

腹式呼吸で肚を鍛えるのだ

また、腹式呼吸では、息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹がへこむという動作が重要です。

坐骨座りをすることで骨盤底筋や腹横筋などの筋肉もリラックスしやすくなり、より深く安定した腹式呼吸が可能になります。

呼吸法に適した姿勢

呼吸法のトレーニングや瞑想などを行う際には、長時間座り続けることが多いですが、坐骨座りは体に余計な負担をかけず、長時間の呼吸法トレーニングにも適しています

坐骨が床や椅子にしっかりと接触していることで、腰や背中にかかる負担が軽減され、背筋が自然と伸びやすくなります。

悪い姿勢で座っていると、呼吸法を行う際に背中や腰に余分な緊張がかかり、集中力が続かないことがありますが、坐骨座りをすることでその問題が軽減されます。

5~10分でも十分に効果はあるのだ!

また、坐骨を意識して座ることで、骨盤が正しい位置に保たれ、呼吸に集中できる環境が整います。

これにより、深い呼吸法や瞑想などのトレーニングがより効果的に行えるのです。

おすすめの呼吸法

おすすめの呼吸法について説明していきます。

STEP
坐骨座りをする

坐骨を意識して座ります。背骨を中心としてゆったりと座りましょう。

方法は、関連記事に書いてあるのでそちらを参考にしてください。

STEP
息を10割吸う

鼻から無理なくゆっくりと息を吸い込みます。このとき、体がしっかりと空気で満たされる状態にしましょう。

STEP
息を7割吐く

息を7割ほど吐き出し、残りの3割を体内に残して息を止めてください。

難しく考えずに、「吸い込んだ息の3割を残す」という意識で行いましょう。

STEP
息を上下させる

残り3割の息を胸、脇、背中に引き上げてみましょう。このときお腹が少し引っ込みます。

次に、今度は残気3を腹部や腰の方へと下ろしていきます。この動作を3回繰り返します。

STEP
息を吐き切る

息を腹部に下ろした状態で、息を0割になるように吐き切ります。

そしたら、通常の呼吸に戻り、呼吸を整えましょう。

STEP
②~④を3回繰り返す

この呼吸法を3回繰り返しましょう。慣れてきたら回数を増やしましょう。

最初の頃は疲れてしまいますが、3回でも十分に効果があります。

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記事のまとめ

記事をまとめます。

  • 深い呼吸は自律神経を整える役割がある
  • 副交感神経を活性化し、リラックス効果が得られる
  • 深い呼吸で酸素が体全体に行き渡り、代謝が向上する
  • 呼吸筋を使うことで筋肉の緊張がほぐれやすくなる
  • 姿勢を改善し、呼吸を深くする効果がある
  • 浅い呼吸はストレスや不安を感じやすくする
  • 猫背や悪い姿勢は浅い呼吸の原因となる
  • 深い呼吸でエネルギーの生産効率が高まる
  • 横隔膜と肋間筋が呼吸に重要な役割を果たす
  • 深呼吸のトレーニングで呼吸を深くできる習慣がつく
  • 坐骨座りは呼吸筋を効率的に動かすサポートになる
  • 腹式呼吸と胸式呼吸をバランスよく使うことが大切

深い呼吸を意識することで、自律神経が整い、ストレス軽減や代謝向上など、心身のバランスを取り戻すことができます。

日常生活に簡単なトレーニングを取り入れるだけで、呼吸が深まり、エネルギーが湧いてくるのを感じるでしょう。

特に坐骨座りを意識しながら、腹式呼吸と胸式呼吸を使い分けることがポイントです。

ぜひ、この呼吸法を実践し、より健康でリラックスした日々を手に入れてください。

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