SNSや動画で「マッサージガンを使うと筋肉が溶ける」といった表現を見かけて、不安や疑問を感じていませんか?
本当に筋肉が溶けるようなことがあるのか、それともただの誇張表現なのかについて疑問を持っている方は多いでしょう。
この記事では、その疑問に対して、専門家の発言や最新の研究結果をもとに、科学的な視点からわかりやすく解説します。
誤解しやすい表現の真意と、マッサージガンの本当の効果について知りたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
- 一般的な液状化する仕組み
- 「筋肉が溶ける」という噂の正体
- マッサージガンが作用するのは筋膜であること
- 科学的に裏付けられたマッサージガンの効果
一般的に言われている筋膜が液状化する仕組み

筋膜は筋肉を包む薄い膜で、水分を多く含むコラーゲン繊維からできています。
健康な筋膜は柔軟性があり、筋肉の動きを助ける役割を果たしているとされています。
しかし、長時間同じ姿勢を続けたり、運動不足が続いたりすると、筋膜の水分が減って硬くなり、筋肉と癒着しやすくなると考えられています。
この癒着が、肩こりや腰痛、関節の動かしにくさの一因になると指摘されています。
そこで注目されているのがマッサージガンです。
これを使って筋膜に振動刺激を与えることで、水分を含む筋膜が液状化すると言われています。
ゼリーを混ぜると柔らかくなるように、筋膜も柔らかくなり、筋肉との癒着が解消されやすくなるという理屈です。
その結果、筋肉が動きやすくなり、柔軟性の向上やこりの軽減、可動域の改善が期待できると考えられています。
マッサージガンで筋肉が溶けることはあるのか?

最近、ジムや整骨院、SNSでよく見かけるようになったマッサージガンは、体に振動を与えて筋肉をほぐすことができる便利なリカバリー機器です。
そんなマッサージガンについて、「マッサージガンを使うと、筋肉が液状化する」というちょっと気になる言葉が広まっています。
「え?筋肉が液状に!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
この言葉の元になったのは、Helms Performanceの創設者で有資格マッサージ療法士のポール・ヘルムズ氏の発言です。
彼はこう話しています。
「マッサージガンで力を加えることで、筋膜という組織の中の固体が液体のようになると考えられています」
また、以下のような発言があります。
「このように力が加わることで、筋膜という結合組織の中にある固体が液状になると考えられています」
「つまり、筋肉周辺の筋膜が柔らかくなるため、筋肉のこわばりが和らぐように感じられるのです」
「筋肉はマッサージしてもすぐにはほぐれません。殴打するような接触が筋肉の腱にある感覚神経に作用し、腱の緊張が増したことを感知します。この効果によって脳に信号が送られ、脳は信号を処理し、筋肉にリラックスするよう指示するのです」
「このように力が加わることで、筋膜という結合組織の中にある固体が液状になると考えられています」
これをみるに実際に筋肉が液体のようになるのではないかと思いますが、実際にはそうではありません。

私の力では調べられなかったのですわ…
筋肉が液体になるというのはあくまでイメージ的な表現で、実際にドロドロになるわけではありません。
実際に「筋肉 液状化」や「筋膜 液体」などで調べても、そういった現象が科学的に証明された研究や論文は見つかりませんでした。
つまりこれは、硬くなった筋膜がやわらかくなることを分かりやすく言ったと考えるのが良いでしょう。
それでも、マッサージガンの効果自体はある程度報告されています。
たとえば、ある研究では、マッサージガンを5分間使用した人は、普通のマッサージを15分受けた人と同じくらい筋肉痛が軽くなった、という結果が出ています。



マッサージガンには一定の効果があるのは事実なのだ
このようにマッサージガンには筋膜や筋肉が柔らかくなる効果はあると考えられますが、液状化するということはないと考えられるのです。


マッサージガンで筋肉が液状化するエビデンスとは


SNSや一部の専門家の間では「マッサージガンを使うと筋膜や筋肉が液状化する」といった表現も見られますが、これは正確な科学的説明ではありません。
実際には、筋膜や筋肉が液状になるような変化は起きておらず、そのような主張を裏付ける研究も存在しません。
この点を明らかにする研究として、2024年に発表された研究があります。
この研究では、健康な成人男性15名を対象に、ふくらはぎの内側にある腓腹筋に5分間のマッサージガンを使用し、前後で筋肉や筋膜の硬さ、そして足首の可動域にどのような変化があるかを調べました。
評価には高精度の超音波測定法を用い、深部筋膜、筋肉、深筋間膜の硬さをそれぞれ測定し、また足首の背屈角度も計測されました。
その結果、5分間のマッサージガン使用後、深部筋膜の硬さは有意に低下し、足首の可動域も平均3度広がるという改善が見られました。
一方で、筋肉や深筋間膜の硬さには有意な変化は見られず、マッサージガンが直接的に筋肉そのものを柔らかくするわけではないことが明らかになりました。
筋肉が液体化するという状態は観測できなかった
つまり、マッサージガンの作用はあくまで「液状化」ではなく、物理的な硬さがわずかに減少するという変化なのです。
このように、マッサージガンは正しく使えば筋膜の緊張をゆるめ、関節の可動域を改善する助けになりますが、「筋膜や筋肉が液体のようになる」という表現は科学的に正しくありません。
誤解を避けるためにも、体の変化を「液状化」などの極端なたとえで語るのではなく、あくまで柔軟性が一時的に高まるといった現実的な理解が大切なのです。


マッサージガンの具体的なメリット


プロのアスリートからデスクワーカーまで、多くの人が使っているけれど、実際のところどんな効果があるのでしょうか?
「本当に疲れが取れる?」「運動前後に使うと違うの?」など、気になるポイントを最新の研究結果と一緒に、4つのメリットに分けて解説します。
疲労感の軽減
マッサージガンは、「体がだるい」「疲れがなかなか抜けない」といった運動後や長時間労働の後の疲労感を軽くする効果が期待されています。
特に、プロのサッカー選手を対象とした研究では、トレーニング後にマッサージガンを使用したことで、疲労の感じ方が半分以下に減少したという結果が出ています。
この効果は、マッサージガンの振動によって筋肉の血流がよくなり、疲労の原因となる乳酸などの老廃物がスムーズに排出されるためと考えられています。



疲労回復には効果があるのだ!
また、体の緊張がほぐれてリラックスできることで、心の疲れにもプラスの効果が期待できる点も見逃せません。


筋肉痛の緩和と柔軟性の向上
「筋トレや運動の翌日、体が痛くて動きたくない…」そんなときにもマッサージガンが活躍します。
特に、運動の数時間〜数日後に出る「遅発性筋肉痛」に対して、痛みを軽くし、体の動きを早く戻す効果が確認されています。
もちろん、魔法のように痛みがゼロになるわけではありませんが、動作の不快感をやわらげ、普段通りの生活に戻りやすくなるサポートとしては十分実用的です。



体のリカバリーに使用するのは良いのですわ
研究によると、股関節や足首の柔軟性が平均で5〜6%程度アップしたという結果もあり、これはストレッチと同等の効果とされています。
局所的な血流促進
ある研究では、マッサージガンをふくらはぎに使ったところ、血流量が最大47%も増加したという驚きの結果が報告されました。
この血流の増加は、全身ではなくマッサージを当てた部分だけで起きた変化であり、心拍数や血管の太さに影響を与えることはありませんでした。



血流の改善に効果があるのだ
つまり、マッサージガンは必要な部分だけを効果的に温めて、血の巡りをよくするという、とてもピンポイントな使い方ができるのです。
とくに運動前に使えば、筋肉があたたまりやすくなり、ケガの予防やパフォーマンスの向上にもつながる可能性があります。
効率的なリカバリーツール
マッサージガンのもうひとつの魅力は、手軽さと使いやすさです。
特別なトレーニングや技術は必要なく、自分で好きな場所に、好きなタイミングで使えるというのが大きなポイントです。
複数の研究レビューでも、マッサージガンは短時間で柔軟性や可動域を向上させるツールとして高く評価されており、アスリートはもちろん、一般の人のセルフケアにも向いています。
また、デバイスによっては振動の強さやヘッドの形状を変えられるため、「強すぎるのが苦手」「特定の筋肉だけを重点的にケアしたい」といった要望にも柔軟に対応できます。
5〜10分ほどの短時間でも効果が期待できるので、忙しい人や運動が苦手な人でも無理なく続けられるのが魅力です。


おすすめのマッサージガン


振動数 | 1800~3000回/分 |
強さ調整 | 5段階(35段階) |
アタッチメント数 | 5種類 |
駆動時間 | 約6時間 |
充電時間 | 約4時間半 |
大きさ | 189×154×60 mm |
重さ | 729 g |
ストローク | 2~8 mm |
疲労回復を目的としたマッサージガンでオススメしたいのが「MYTREX REBIVE2」です。
このマッサージガンは、厚生労働省から医療機器として正式に認証されており、筋肉のコリや疲れ、神経痛・筋肉痛の緩和、血行促進、疲労回復といった効果が期待できます。



医療機器認証はおすすめなのだ
最大の特徴は、業界初の「手圧変動テクノロジー」を搭載していることです。
従来のマッサージガンは「速さ」の調整だけでしたが、REBIVE2では「深さ」も7段階で調整可能になりました。
さらに「速さ」も5段階から選べ、なんと35通りの振動刺激を使い分けることができます。



驚くくらい色々な調整ができるのですわ
これにより、首や肩のような繊細な部位から、太ももやふくらはぎのような大きく深い筋肉まで、幅広くケアできるのが魅力です。
また、MYTREX REBIVE2は、日々のトレーニングで酷使された筋肉を効率的にケアしたいアスリートにも非常に使いやすい仕様となっています。
最大毎分3,000回のパワフルな振動と、最大20 kgの圧力にも耐える高い耐久性・自動制御システムを備えており、筋肉の奥深くまでしっかり届くようになっています。



強く押したとしても止まらない仕様になっているのだ
本体は729gと重さを感じるため、手の力が弱い方や長時間使いたい方には負担になるかもしれません。



重さはかなりあるからその点は本当に注意するのですわ…
とはいえ、重心バランスが良く設計されており、力のある方であれば片手でも十分扱いやすいサイズ感です。




記事のまとめ
記事をまとめます。
- マッサージガンは筋肉に振動を与えてほぐす器具である
- 「筋肉が溶ける」は比喩的な表現で実際には起きない
- 筋膜の柔軟性が高まることで筋肉がほぐれたように感じる
- 力の刺激で脳が筋肉にリラックス指令を出す仕組みがある
- 科学的に筋肉が液体化する証拠は存在しない
- マッサージガンは筋膜の硬さを一時的に減少させる
- 筋肉そのものの硬さに大きな変化は見られない
- 5分の使用で可動域が広がることがある
- 血流促進によって疲労物質の排出が助けられる
- 遅発性筋肉痛の緩和にも一定の効果がある
- 柔軟性の向上がストレッチと同等の効果を持つ場合がある
- 使用部分に血流増加の効果が確認されている
- 忙しい人でも短時間でセルフケアができる点が魅力
- 医療機器認証の製品もあり、安心して使えるものもある
- 表現に惑わされず、正しい知識で使用することが大切
結論として、「マッサージガンで筋肉が溶ける」という表現は、あくまでイメージ的な比喩であり、実際に筋肉が液状化することはありません。
正しくは、筋膜やその周辺の組織が一時的に柔らかくなることで、筋肉が「溶けたように感じる」だけなのです。
科学的にもマッサージガンの使用によって可動域の向上や血流促進などの効果があることは確認されています。
正しい知識と使い方を身につければ、マッサージガンは疲労回復やセルフケアに役立つ心強いアイテムになります。
誤解にとらわれず、実際の効果を理解したうえで賢く活用していきましょう。