社交ダンスの興味を持ち、踊り始めたものの、「なかなか上達しないかもしれない……」と不安に感じることはありませんか?
多くの初心者が抱えるこの疑問に答えるため、本記事では社交ダンスのスキルを向上させるための具体的なアプローチとトレーニング方法を紹介します。
才能だけが上達のカギではありません。正しい練習方法とやる気があれば、誰でも社交ダンスが上達できます。
個人練習のポイント、ペアでの練習のコツ、鍛えるべき主要な筋肉群など、効率的に技術を磨くための情報を詳しく解説していきます。
- 個人練習とペア練習の区別とそれぞれの重要性
- ホールド、軸、脚の動きを正しく行うための基本的な技術
- リードとフォローの役割とその実践時のポイント
- 社交ダンスにおける重要な部位のトレーニング方法とその効果
社交ダンスが上手くなるためには
多くの人が社交ダンスを始めると、すぐに上達したいと思います。
しかし、練習してもなかなか上手くなれず、才能がないのではないかと悩むこともあるでしょう。
「私には才能がないから上達しないのかしら……」と思うかもしれませんが、実際には、考え方やアプローチを変えるだけで、上達するためのヒントが見つかることが多いです。
社交ダンスの上達には、「個人練習」と「ペア練習」を明確に区別して取り組むことが大切です。
個人練習では、シャドー練習によって自分の姿勢やバランスを確認し、正しいホールドの形と自分の軸の位置を修正します。
一方、ペア練習では、実際に相手と一緒に動くことで、個人練習では得られない体の向きや重心の移動を覚えます。
- 個人練習で軸やホールドを覚える
- ペア練習でカップルの重心や軸を覚える
社交ダンスはペアで踊るため、しっかりとやることが重要です。
個人練習では自分の軸やホールドを確立していくのだ!
初めは個人練習で基本をしっかりと身につけ、慣れてきたらペア練習に活かすように進めると良いでしょう。
個人練習とペア練習は分けて取り組むことが重要
個人練習のポイント
個人練習で抑えなくてはならないのは「ホールド」「軸」「脚」の3つです。
慣れてくると同時に意識できるようになってきますが、慣れないうちは個別に取り組みましょう。
ホールド
ホールドの社交ダンスで非常に重要です。
多くの初心者が、ホールドをする際に肩が上がってしまいがちですが、これは技術が身につけていないためです。
ホールドにおいてポイントとなるのは、肩甲骨と上腕骨の使い方です。
多くの人が肩甲骨の感覚や意識が少ないため、無意識に僧帽筋を使ってしまうために肩が上がってしまいます。
肩が上がってしまうのは肩甲骨が上手く使えていないのが原因
ホールドを綺麗にするためには、肩甲骨だけでなく、上腕骨にも意識を向ける必要があります。
特に、肩甲骨と上腕骨を連動させる肩甲上腕関節を綺麗に使いこなすことに意識を集中させることが重要です。
上腕骨と肩甲骨の開発が上達において重要ですわ!
軸
軸の位置は、どんな業界においても重要ですが、特にダンスではその重要性が顕著です。
軸の基本とされるのは、背骨の前を通る軸です。この軸は「百会」と「会陰」を通ります。
この軸を正しく保つことで、背骨が過度に反ったり丸まったりすることなく、自然なS字カーブを保ちながらダンスすることが可能になります。
軸は背骨の前をかすめるように通るのが基本なのだ
さらに、この軸が正しく機能すると、腸腰筋が効率良く働き、ハムストリングスとの拮抗運動がとれるため、力強く自然な脚の動きが実現します。
これにより、ダンサーはより安定した動きと強いパフォーマンスが行えるようになります。
- 軸は「会陰」「百会」を通る
- 軸が通ることで脚使いがうまくなる
脚
脚の動きで特に重要なのは「股関節」と「脛骨直下点」を結ぶラインです。
このラインは、骨格の中心部に位置し、脚を効果的に使うためにはこのラインに沿って力を伝える必要があります。
この力線が正しく機能していないと、不要な力が他の部位に入り、力が逃げてしまい、地面を強く蹴ることができなくなります。
脚にも背骨同様に軸が通る必要があるのだ……
また、股関節は体の中心部に位置する大きな関節であり、正確に使うのが難しいです。
股関節がきちんと使えると、全体の動きが改善され、より効率的な動きが可能になります。
ペア練習のポイント
ペア練習で抑えないといけないポイントは「リード&フォロー」「軸」の2つです。
個人練習では出てこない考え方なのでしっかりと覚えましょう。
リード&フォロー
社交ダンスでは、「リード&フォロー」という概念が非常に重要です。
リードとは、主に男性が女性をダンスの動きへ導く役割を担い、フォローとは女性がそのリードに応じて動くことを指します。
リードをする際の重要な点は、女性を無理に引っ張ったり、力ずくで動かしたりしないことです。
女性の体は、股関節や体の軸を適切に使ってリードすることで、自然にスムーズに動くようになっています。
上手くリードができれば力はさほど使わないのだ
一方で、フォローする際は、自分勝手に動くのではなく、男性のリードの刹那のタイミングを感じ取り、動くことが求められます。
頭で考えると言うよりは体で反応するような意識を持つことでうまくいきやすいのでチェレンジしてみましょう。
- リードする際はパートナーの「背骨」「股関節」にかける
- パートナーはリードを体で感じて反応する
軸
実際に踊る際、重要なのは「自分自身の軸」と「相手との共有の軸」の2つです。
自分自身の軸は、会陰と百会を通る基本的な軸で、常にこの軸が崩れないよう注意が必要です。
相手との共有の軸は、ダンス特有の概念で「コモンセンター」とも呼ばれます。
これは自分と相手の中心に位置する軸で、社交ダンスではこの軸を中心に動くことでスムーズに動けます。
自分の軸以外にも軸があるのは知らなかったのですわ……
相手をリードしたりフォローしたりするときは、自分の軸を保ちつつ、この相手との共有の軸を中心に動きを作るよう心掛けましょう。
この位置から軸がズレてしまうと相手に引っ張られるような感覚が出るので注意しましょう。
「自分の軸」と「相手との軸」の2つを理解して使い分けるのが重要
鍛えるべき部位と基礎知識
肩甲骨
肩甲骨はホールドを取るときの要の部分ですのでしっかりと覚えましょう。
肩甲骨は背中の上の方にある逆三角形の平らな骨で、四肢の動きや姿勢を保つのに重要な役割を果たします。
肩甲骨を鍛える方法として「立甲」が効果的です。立甲は、「甲腕一致」とも呼ばれ、腕を使って肩甲骨を支えることです。
肩甲骨が使えると下半身の連動も良くなるのですわ♪
これができるようになると、肩甲骨を腕でしっかりと支えることができるようになります。
これにより、ホールドが上達し、僧帽筋などの筋肉に不要な力が入らずにスムーズなホールドが可能となります。
腸腰筋
腸腰筋は上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉であり、この筋肉は、「大腰筋」と「腸骨筋」の二つの部分から構成されています。
大腰筋は腰椎から始まり、腸骨筋は骨盤の上部から始まり、どちらも太ももの骨の内側につながっています。
腸腰筋は社交ダンスで非常に重要な役割を担っており、下半身の力を上半身に効果的に伝えるのに必要な筋肉です。
多くの人は腸腰筋が使えていないのだ……
この筋肉が上手く使えない場合、骨盤と肋骨の間が不安定になり、体の中心部がうまく使えなくなってしまいます。
また、腸腰筋の使い方が良くないと腰が過度に反ってしまうことがあるため、その点にも注意が必要です。
腸腰筋が使えているか使えていないかは見ると一目瞭然ですわ…
股関節
股関節は人の関節の中で最も大きいものの一つで、大腿骨の上端にある骨頭が、骨盤の一部である寛骨臼というソケットにハマる形で構成されています。
股関節は上半身と下半身をつなぐ重要な関節であり、社交ダンスの技術向上においてこの関節からの力の伝達が鍵となります。
股関節のド中心を使えるかが上達の分かれ道なのだ!
股関節を上手く使うことができるようになると、体の中心でバランスを取りやすくなり、結果として背骨周りにしっかりとした軸が生まれます。
股関節をうまく使えないと、体の軸が前にずれ、背骨が不自然に反ってしまうことがあります。
また、下半身では「股関節」と「脛骨直下点」を効果的に使うことで、脚にしっかりとした軸が通り、地面を力強く踏み出せるようになります。
股関節を使いこなしている人はほとんどいないのだ……
股関節を鍛える一つの方法として、股関節と脛骨直下点を意識しながら四股を踏む練習が効果的です。
これにより、脚の使い方が向上し、体全体の意識が高まります。
- 股関節が使えると背骨に軸ができる
- 股関節と脛骨直下点が脚の軸の中心となる
おすすめの書籍
社交ダンスに関するたくさんの書籍がありますが、ダンスに役立つトレーニングを詳しく説明している本は少ないです。
これから紹介する本には「肩甲骨」「股関節」が重要な理由を詳しく解説されていて、それらの理解を深めるための具体的なトレーニング方法が書かれています。
社交ダンス専門に書かれたものではありませんが、どのスポーツ分野にも応用可能な内容となっています。
本の方がより詳しく書かれていて勉強になるのだ
無論、私も読んで実践しており非常にわかりやすい内容です。
特に「股関節」に関する本は書籍の中でも非常に情報が少ない分野で見てみるとよいでしょう。
トレーニングの基礎や理論から学びたい方に特におすすめの書籍ですので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
記事のまとめ
記事をまとめます。
- 社交ダンスの上達には個人練習とペア練習が必要
- ホールドの正しい技術は肩甲骨と上腕骨の使い方が重要
- ペア練習ではリードとフォローの概念を理解することが求められる
- 軸の正しい位置は背骨の自然なS字カーブを保つことに寄与する
- 腸腰筋は上半身と下半身の力の伝達に不可欠である
- 股関節の正しい使い方はダンスのバランスと動きの効率を向上させる
- 脚の動きは股関節と脛骨直下点のラインに沿って力を伝えることが基本
- ペアダンスでは共有軸(コモンセンター)の理解が重要
- 個人練習ではホールド、軸、脚の各部位を別々に練習することが重要
- 肩甲骨を鍛える立甲は社交ダンスのホールド向上に効果的
- 社交ダンスはリードの力ずくでなく、相手の動きを感じ取ることが重要
- 練習初期は基本を身につけるために個人練習から始めることが望ましい
社交ダンスの上達は一朝一夕には達成されるものではありませんが、正しい練習方法と体の使い方を理解することで、確実にスキルアップが可能です。
個人練習で基本を固め、ペア練翯で実践の感覚を磨くことが重要です。
また、ホールド、軸の保持、リードとフォローの技術は、社交ダンスを上達するのに必須スキルとなります。
この記事で紹介したポイントを日々の練習に活かし、一歩ずつでも前進を続けてください。
社交ダンスの奥深い世界で成長を心ゆくまで楽しむことができるはずです。