仕事やスポーツをしているときに「肩の力を抜きなさい」と言われた経験はありませんか?
肩の力を抜くことでリラックスし、パフォーマンスを向上させることができます。しかし、肩の力を抜くことは簡単なようで難しいものです。
本記事では、肩の力を抜くための具体的な方法やその効果について詳しく説明し、肩甲骨や肋骨の重要性にも触れます。
緊張を解消し、肩の力を抜く方法を学んで、日常生活やスポーツでのパフォーマンスを向上させましょう。
- 肩の力を抜くことの意味と重要性
- 肩に力が入るとパフォーマンスが低下する理由
- 肩の力を抜く具体的なトレーニング方法
- 肩甲骨や肋骨の意識と使い方の重要性
肩の力を抜くとは?
仕事やスポーツをしていて肩の力を抜きなさいと言われた経験のある人は多いと思います。
肩の力を抜くという意味を調べると以下のようになります。
リラックスし、緊張でこわばった体をほぐすこと。または、気負うことなく楽に構えること。
実用日本語表現辞典
つまり、肩に力が入っている状態は体が力んでしまい本来のパフォーマンスが出せない状況のことを指しているのです。
これには緊張しているためリラックスできないということと、実際に肩周りに力が入っていて肩を使いこなすことができないことがあげられます。
肩に力が入っていると体を使いこなすことができないのだ
肩に力が入っていてはいけない理由
力が減少する
肩に力が入ると、筋肉の出力が低下し、発揮できる力が減少します。
筋肉は収縮することで力を発揮しますが、肩に力が入った状態では、筋肉が微妙に収縮しているため、完全に脱力した状態よりも力を発揮しにくくなります。
力むことで力が低下するのだ……
このため、肩周りを使った運動ではパフォーマンスが低下してしまいます。
体が浮いてしまう
体が浮いてしまうというのは、体の重みをうまく地面に伝えられず、その重みを活用できない状態のことです。
実際に体の重みが地面に入るわけではありませんが、トップアスリートはしばしばこの重みをうまく利用しています。
体の重みを地面に伝えるために脱力し、重みを地面に押し込むような感覚で体を使います。
こうすることで、体が浮かずにおもりの一部のように重みを活かしてパワーを発揮できるのです。
肩に力が入ることで体が浮いてしまいパワーを発揮することができない
一方で、肩に力が入っていると体が浮いてしまい、重みを活用するのが難しくなります。
なぜならば、肩の力が入っていると、肩の重みを自分で持ち上げてしまい、本来の重さを十分に使えなくなるからです。
肩が力むことで自分の重みが使えなくなっているのだ……
重みを利用するためには、上半身も含めて全身を使う必要があり、肩の力を抜くことが重要です。
これにより、体全体の重みをうまく活用できるようになります。
肩に力が入らないようにするためには
肩に力が入らないようにするためには、肩周りの筋肉のバランスを整えることが重要です。
具体的には以下の点に注意しましょう。
- 肩甲骨を上げる筋肉は使わないようにする
- 肩甲骨周りのインナーマッスルを活用する
- 肩甲骨周りを柔らかくする
特に、肩周りを柔らかくすることが不可欠です。
肩周りが柔らかくなると可動域が広がり、微妙に入っている力みを解消できます。
これにより、肩周りの重みを効果的に活用できるようになります。
肩周りが柔らかくなることで肩が上がりにくくなるのですわ
さらに、肩周りのインナーマッスルのバランスを整えることも大切です。
特に肩甲骨周りのインナーマッスルは、肩のポジションを安定させる役割があります。
肩のポジションがズレると力みの原因になるため、注意が必要です。
肩甲骨の位置は大切だからしっかりと意識するのだ
肩甲骨についての詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
肩の力を抜く方法
僧帽筋をゆるめる
肩周りで有名な筋肉には僧帽筋があります。
ボディービルダーがよく鍛える筋肉ですが、パフォーマンスを向上させたい場合、この筋肉は鍛えないようにしましょう。
僧帽筋は肩が上がる原因になるため無闇矢鱈に鍛えない
肩の力を抜くためには、肩甲骨の位置が重要です。
肩甲骨が下がっている状態が、肩の重みを活用できる最適なポジションです。
しかし、僧帽筋は肩甲骨を上げる役割があり、アウターマッスルでもあるため、この部分が働くとインナーマッスルが働きにくくなります。
重みを使うには肩甲骨の位置が下がっている必要があるのだ
インナーマッスルは肩甲骨のポジションを決める重要な役割があるため、インナーマッスルが働かない状況は避けるべきなのです。
肩甲骨の意識を高める
肩の力を抜くためには、肩甲骨の位置が重要です。肩甲骨が上がると、体の構造上、肩も一緒に上がってしまいます。
反対に、肩甲骨が下がっていると、肩も自然に下がることになります。
肩を下げるときは肩甲骨を下げるのを意識するのですわ♪
しかし、肩甲骨は背中側にあるため、普段トレーニングしていない人にとっては意識しにくく、動かすのが難しい部分です。
そこで、肩甲骨を運動の中で自然に動かすことが大切です。
運動を通じて肩甲骨周辺の組織の違いを感じることで、肩甲骨の位置や動きが次第にわかるようになります。
肩甲骨の意識を高めることで、肩甲骨を下げる動作を自然に行えるようになります。
初期の段階では肩甲骨を動かして意識を高めるのが重要
肋骨の意識を高める
意外と見落とされがちですが、肋骨は肩甲骨の位置を決めるのに重要な役割を果たしています。
肩甲骨周りのインナーマッスルは肋骨や背骨に付いており、これらの筋肉が肩甲骨の位置を安定させます。
肩甲骨は肋骨や背骨に対して垂れ下がるように位置しています。そのため、肋骨や背骨をしっかりとした土台として機能させることが必要です。
肋骨を土台にするのは難しいことなのだ……
もし、この土台が不安定だと、肩や肩甲骨が肋骨を持ち上げる形になり、肩甲骨周りに余計な力が入ってしまいます。
したがって、肋骨を家の基礎のように安定した土台として使えるようにすることが大切です。
肩甲骨周りは肋骨を土台とした意識で鍛えるのが重要
坐骨の意識を高める
先ほども説明したように、肩や肩甲骨が肋骨を持ち上げる形になると、肩が上がってしまう原因になります。
そのため、肋骨の意識を高める必要がありますが、肋骨以外にも坐骨が非常に大切です。
肋骨を土台として使うためには、股関節から上の上半身が安定している必要があります。
なぜなら、肋骨の土台は骨盤であり、骨盤がしっかりしていないと肋骨も安定しないからです。
上半身の土台となるのは坐骨や骨盤で肋骨と深く関係している
特に、骨盤の中でも坐骨や股関節が意識の中心となることが重要です。股関節や骨盤について詳しくは、以下の記事を参照してください。
効果的なトレーニング
肩ギュー体操
肩をギューとあげた後、スッと落とす体操です。僧帽筋あたりの力みを抜くのに効果的です。
肩甲骨モゾモゾ体操
肩甲骨をモゾモゾ動かす体操です。上下左右様々な方向に動かすことで効果が高まります。
肋骨モゾモゾ体操
肋骨を上下左右にモゾモゾ動かす体操です。肋骨を前後左右に分けることを意識しましょう。
肋骨はかなり大きいためパーツごとに分けて行うとやりやすくなります。
坐骨モゾモゾ座り
椅子に座りながら坐骨を座面にモゾモゾ擦り付ける体操です。
坐骨をモゾモゾさせながら上半身の重みを坐骨で支えるようにすることで、上半身を坐骨から支えられるようになります。
記事のまとめ
記事をまとめます。
- 肩の力を抜くとはリラックスし緊張をほぐすこと
- 肩の力が入ると筋肉の出力が低下する
- 力みがあると体の重みを活用できない
- 肩の力を抜くとパフォーマンスが向上する
- 緊張を解消するには呼吸法が有効
- 肩甲骨周りのトレーニングが重要
- 肩周りの筋肉のバランスを整える必要がある
- 肩甲骨を上げる筋肉は使わないようにする
- 肩甲骨周りのインナーマッスルを活用する
- 肩甲骨を柔らかくすることが大切
- 僧帽筋は鍛えすぎないようにする
- 肋骨の意識を高めることが必要
- 坐骨を意識して上半身を安定させる
- 肩甲骨を運動で自然に動かすことが効果的
- 肩ギュー体操で僧帽筋の力みを抜く
- 肩甲骨モゾモゾ体操で柔軟性を高める
- 肋骨モゾモゾ体操で肋骨を柔らかくする
- 坐骨モゾモゾ座りで上半身の重みを支える
- 肩甲骨のポジションを安定させることが重要
- 重みを活用するために全身を使う必要がある
肩の力を抜くことで、日常生活やスポーツにおいてより良いパフォーマンスを発揮することができます。
肩の力を抜くためには、リラックスした状態を維持し、肩甲骨や肋骨、坐骨の正しい使い方を学ぶことが不可欠です。
適切なトレーニングと意識を持つことで、肩の力を抜くことができ、体全体の重みを活用した効率的な動きが可能になります。
肩の力を抜く方法を実践し、日常生活やスポーツでのパフォーマンス向上を目指しましょう。