社交ダンスを上達させたいと考えている方は多いでしょう。
特に、社会人になってからダンスを始めた方は、「もっと上手くなりたい」「どうすれば効率的に上達できるのか」と悩むことも多いはずです。
よく「練習量が多ければ上達する」と言われますが、果たしてそれだけで本当に上手くなるのでしょうか?
この記事では、社交ダンス上達のために練習量だけに頼らず、効率よくスキルを伸ばすための具体的な方法を解説します。
- 練習量だけで社交ダンスが上達しない理由
- 上達するために必要な身体の使い方の重要性
- 効率的に弱点を克服する方法
- 理論に基づいた効果的な練習方法の取り入れ方
練習量=上達ではない理由
社交ダンスを上達したいと考えている人は多いでしょう。
特に、社会人になってから社交ダンスを始め、これから上手くなりたいと考えている人も少なくありません。
一般的に、社交ダンスを上達させるためには「学連の練習を真似するのが良い」と言われていますが、これは本当に正しいのでしょうか?
確かに、学生の練習方法を真似ることには、ある程度の効果があるのは事実です。
筆者も学生の頃、練習を重ねましたが、その経験から、練習量がそのまま上達に繋がるわけではないことに気づきました。
闇雲に練習をしても効果は薄くなってしまうのですわ…
同じ練習量でも、上達する人とそうでない人がいます。この根本的な違いを理解しなければ、上達に限界が訪れてしまいます。
基本的に、学生の練習は体力を中心としたもので、練習量を重視する傾向があります。
しかし、根本的な部分から改善策を考えることが必要なのです。
普通にやっても上達しない理由
一般的に「数をこなせば上達する」と考える人が多いですが、これは必ずしも正しくありません。
特に、最初から上手い人や才能のある一部の人には有効かもしれませんが、それ以外の人にとっては効果的ではないのです。
なぜかというと、最初から持っている身体の感覚や使い方、いわば「ベース」が異なるためです。
元々身体の感覚が優れていたり、体の使い方が上手かったりする人は、そのベースを元に練習を重ねることで着実に上達します。
しかし、ベースが整っていない人がただ練習量を増やしても、根本的にできていない部分が多いため、効果が得られないのです。
才能はある程度は必要な世界なのだ…
この状況を建築に例えるとわかりやすいでしょう。建築では土台と建物が重要ですが、身体感覚や体の使い方はこの「土台」に相当します。
上手い人は、最初からしっかりとした土台を持っているようなもので、体の重要な部分の感覚があり、そこをうまく使えるのです。
また、「設計図」に相当するのが身体の使い方の理論です。
上手な人は理にかなった動きが自然にできるように「プログラム」されているため、効率的な動きを体が自動的に行えるのです。
たとえば、同じ「歩く」という動作でも、一般的な人は前ももを使って歩きますが、上達する人は裏ももを使って歩くなど、根本的な体の使い方が異なっているのです。
このように、ただ数をこなすだけではなく、土台や設計図をしっかりと整えることが重要なのです。
一般人が後天的に上達するには
では、一般の人が後天的に上達するためには、どのような方法が良いのでしょうか。
筆者の考えでは、一般の人でも理論に基づいて練習をすれば、ある程度のレベルまで上達できると考えています。
例えば、社交ダンスであれば、後天的な努力でアマチュアB級の決勝に進むことも可能だと思います。
しかし、そのためには確実に実行しなければならないポイントがいくつかあります。これらについて、詳しく解説していきます。
できないことを理解する
まずは、自分が「できない状態にある」ということを認識することが大切です。
これは自己否定につながるため、多くの人は避けたいと思うかもしれません。しかし、このステップを踏まなければ、上達することはできないと断言できます。
なぜなら、まず自分の固定観念や思い込みを崩さなければ、新しい知識や技術を吸収することが難しいからです。
人は無意識に、自分の価値観を基準にして物事を判断します。
このため、自分に対するバイアスがかかった状態では、良い情報が入ってきてもそれを正確に理解したり、活用したりすることが難しくなります。
まずは常識を捨てるところから始めるのだ…
よく「1から始める」という表現が使われますが、それでは不十分です。
真に上達したいのであれば、むしろ「0からのスタート」として、全く新しい視点で物事に取り組む必要があります。
弱点を克服する
次に重要なのは、「弱点を克服する」という考え方です。
多くの人は、自分の得意な部分を伸ばすことに注力しがちですが、実は弱点を克服する方が、長期的に見て効率的な上達方法です。
得意分野を伸ばすことも一つのアプローチですが、弱点に目を向けることで、全体のパフォーマンスを大きく引き上げることができます。
テストの点数を例にとると、80点を90点に上げるのは非常に難しいですが、30点を60点に上げる方が、相対的に少ない努力で結果を出せます。
これは、少ない努力で大きな改善が見込めるため、効率的な成長を実現できるということです。
さらに、テストでは別の科目で学んだ考え方や解き方が他の科目にも役立つことがあります。
これと同様に、体の使い方にも共通点が多いため、特定の弱点を克服すると、他の部分にも良い影響が広がります。
身体に関しても、基本的な動きや感覚には共通する部分が多くあります。
ある一部の弱点を克服することで、他の動きやパフォーマンスの質も向上し、全体的な能力が底上げされるのです。
結果的に、バランスの取れた成長が期待でき、上達のスピードも加速します。
自分のウィークポイントと向き合う姿勢が大切
徹底的にやるということ
「弱点を克服することが大切」という考え方に加え、もう一つ重要なのは、「徹底的に取り組む姿勢」です。
最近の風潮として、少し努力すれば成果が出るとか、2ヶ月で劇的に変わるというような宣伝文句を目にすることがありますが、根本的に上達したいのであれば、そのような短期的な考え方は捨てるべきです。
なぜなら、そのような短期間では体や技術が根本的に変わることは難しく、多くの人にとってそれは現実的ではないからです。
確かに、2ヶ月である程度の成果を上げる人もいるかもしれませんが、それは例外的なケースです。大多数の人にとって、上達にはもっと時間と継続的な努力が必要です。
さらに、「劇的に変わる」とされるその成果が、どのレベルまでの話かも重要です。
例えば、武道の世界では「10年の鍛錬は当たり前」とされ、そこからさらにどれだけ上達できるかが問われます。
地味に取り組むのが一番の近道かもしれないのだ
これは他の種目でも同じことが言えます。また、中途半端な努力では技術も中途半端なものになり、それが結果として見た目に反映されることはほとんどありません。
実際に、努力の成果が技術やパフォーマンスにしっかり現れるのは、全体の1割にも満たないことが普通です。
そのため、「見た目に出なくても当然」と考え、地道な努力を続けることが大切です。
身体の構造を理解する
身体の構造を理解することは、とても重要です。
なぜなら、構造を理解していないと、体を効率的に使うことができないからです。
体を動かす上で最も大切なのは、体の構造を自然の法則に従って使うことです。
簡単に言うと、体の仕組みに合った正しい使い方をし、物理の法則に従って動くことが重要だということです。
体の構造には重要なポイントがいくつかあるので、気になる方はそれを手がかりに調べてみると良いでしょう。
また、物理的な法則には重力や体の軸が含まれます。重力を活用することで、体重や重みを効率的に使うことができるようになります。
さらに、体を正しい構造に基づいて使うという意識を持ちましょう。特に重要なのは「骨」です。
骨は体を支える役割をしており、この骨を正しく使うことで、体の中に支えとなるポイントを作りながら動かすことが可能になります。
骨と重さをうまく組み合わせて使えば、重心のコントロールができ、誰が見ても素晴らしいと感じるような体の使い方ができるようになります。
人の何倍も努力するということ
上達するためには、人より何倍も努力する必要があるのは当たり前のことです。
なぜなら、上手い人が無意識に行っている動作や技術を意識的に取り入れて鍛えつつ、基本的なトレーニングや練習も欠かさず行わなければならないからです。
この過程を飛ばしてしまうと、いくら練習を重ねても技術の本質を掴むことは難しく、上達のスピードが遅れてしまいます。
残念ですが、これに関しては「やるしかない」という覚悟を持たなければなりません。楽な方法や近道は存在しないのです。
結局、上手い人が無意識に行っている動作や技術を理解し、自分自身に取り入れていかないと、表面的な上達に留まってしまいます。
何年練習しても本質的な部分が身に付かず、根本的な技術向上が得られないのです。
例えば、野球で同じ素振りをしていても、100回で上達する人と、1000回やっても上達しない人の差は、単に回数の問題ではありません。
股関節や肋骨の使い方、体の重心の置き方など、細かい部分まで意識し、トレーニングを続けることで初めて、自分にとっての重要なポイントが見えてくるのです。
悲しいけどやるしかないのだ…
さらに、こうした細部にまで注意を払うことが、長期的な成長に繋がります。
身体の使い方を理解し、それに基づいてトレーニングを積み重ねることで、自然と効率的な動きが身に付きます。
努力を重ねることでしか得られない成果があり、その過程を避けて通ることはできません。
最終的に、他の人と差をつけるためには、技術の表面的な部分ではなく、体の使い方や技術の本質を深く理解し、意識的に実践する努力が必要なのです。
思考の外側に出るということ
思考の外側に出るということも非常に大切です。
「常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである」というのは、相対性理論で有名な物理学者アルベルト・アインシュタインの言葉です。
この言葉は、私たちが日々の生活の中で当たり前と感じている常識に対して、改めて疑問を持つ重要性を教えてくれます。
もちろん、自分の中で知っていることを深め、専門性を高めていくことも大切な考えです。
しかし、それだけではすぐに限界が訪れます。
私たちが自覚している知識の範囲というのは、実際には非常に狭く、目に見えない先入観や思い込みに囚われていることが多いのです。
人間は知っているつもりであっても、知らないことの方がはるかに多い生き物です。
知らないことを減らしていくのが大切なのですわ
そのため、常に自分が知らない事柄に対して積極的に目を向け、取り入れていく姿勢が必要です。
新しい視点や情報を得ることで、自分の思考の幅が広がり、深みが増していきます。
しかし、新しいものを取り入れるためには、まず自分の持っている常識や先入観を一度疑い、捨て去る勇気が必要です。
そうでなければ、私たちは自分の狭い枠の中に閉じこもり、限られた視野の中でしか物事を捉えられなくなってしまいます。
この「枠」を乗り越えたときに初めて、本当に多様な情報や新しい知見が自分の中に入ってくるようになるのです。
枠の外側に行くのだ!
その結果、情報量が増えるだけでなく、物事の理解やスキルの習得が加速度的に進むようになります。
新しい視点を取り入れることで、従来の自分の限界を超え、さらなる成長や進歩を遂げることができるのです。
記事のまとめ
記事をまとめます。
- 練習量だけでは社交ダンス上達に繋がらない
- 学生の練習法を真似るだけでは限界がある
- 身体の感覚や使い方の「土台」を整えることが重要
- ただ練習を重ねるだけでは上達しにくい
- 身体の使い方を理解しないと、効率的に上達できない
- 弱点を認識し、克服することが上達の鍵となる
- 得意な部分を伸ばすより、弱点を改善する方が効果的
- 新しい視点を取り入れることで成長が加速する
- 身体の構造を理解し、正しい動きを意識することが重要
- 努力を継続し、徹底的に取り組む姿勢が必要
- 短期間での劇的な上達を期待せず、長期的な努力が求められる
- 骨や重心を意識して動くことで動作の質が向上する
- 他人よりも多くの努力を積み重ねる覚悟が必要
社交ダンスで上達するためには、単に練習量を増やすだけではなく、体の使い方や弱点を克服するための正しいアプローチが重要です。
自分の土台となる体の感覚を整え、理論に基づいた練習を行うことで、効率的にスキルを高めることができます。
長期的な視点で継続的に取り組むことが、社交ダンスの本質的な上達に繋がります。
焦らず、自分の成長を信じて地道に努力を積み重ねていきましょう。